暮らしに潜む“危機”を救う! ~老朽インフラと闘う技術~

2017/02/14(火)22:00
 高度成長期から半世紀が経ち、私たちの生活に欠かせないインフラの老朽化問題は待ったなし。そこで立ち上がったのが“ニンジャ”と呼ばれる職人集団。京都の「特殊高所技術」は、高い橋やダム、風力発電施設といった作業車が入れなかったり、足場が組めないなど、従来は近づけない場所にロープを駆使して近づき、点検や保守を行う。「ニンジャテック」と呼ばれる彼らの技術は、足場などが必要なく、時間も短くすむため、コストも安いのが特徴だ。しかし、大きな課題を抱えていた。それは「人材不足」。2012年の中央道笹子トンネルの天井板崩落事故を受け、国土交通省は全ての橋やトンネルに対して5年に1度の近接点検(構造物に近寄っての点検)を義務化。そのため、各地の自治体や企業から依頼が殺到していたのだ。そんな中、特殊高所技術にある依頼が来た。舞台はアフリカ・モロッコ。実は、25年ほど前から本格的に高速道路を次々建設。しかし、その維持のノウハウがないのだ。ニンジャテックではこの依頼を受けることにした。
 一方、法定耐用年数50年を超える下水道管が1800キロに及ぶ東京23区は、老朽化で“先進地域”。中でも注目したのが、帯状のプラスチックを下水道に入れ、螺旋状に巻きながら下水道管を“再生”する「SPR」という工法。地面を掘り起こさずに下水を流しながら施工できるのが特徴で、交通や市民への影響が少なく、工期・工事費ともに大幅に削減できる。そして、下水道管さらに30~50年長持ちさせることができるという、世界初の画期的な技術だ。
しかし今、新たな課題に直面している。従来の工法では強度が足りないケースがあるというのだ。プラスチックの強度を上げると、硬すぎてうまく巻けない。強度と柔軟性をどう両立させるのか…「下水道管の再生」に賭ける男たちの挑戦が始まった。
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