「不自由」が価値を生む!

2018/01/30(火)22:00
 目線の高さ、106センチ。車イスの生活だ。先天性の病を患い、「106センチ」の世界から日本を見た時、他の人には見えていないことが見渡せるという。
障害者や高齢者、ベビーカーを使っている人たちが感じる不自由や不安を見つけ出し、「なんちゃってバリアフリー」をあぶり出しているのだ。さらに、それを敢えてビジネスにすることで改善活動を持続的なものにし、どんな人も住みやすい日本にしよう、という活動に取り組んでいる。異色の“ニッポン改革”の行方は…。
 「ミライロ」(本社・大阪)社長の垣内俊哉さん、28歳。生まれつき骨が弱く骨折しやすい「骨形成不全」という難病と闘っている。車イスの生活で、目線の高さは「106センチ」。その目線からニッポンのバリアフリーを見直し、様々な提言が注目されている。
高齢者や障害のある方への接し方を学ぶ講座の受講企業は延べ400社。自治体や金融機関、ホテル、テーマパーク、結婚式場、飲食店、霊園に至るまで、講演や監修依頼が寄せられている。
 垣内さんの主張は明確。「高齢者は約3000万人以上。障害者が約800万人。それに、ベビーカーに乗る3歳未満の子どもが約300万人。合わせて4000万人超が移動になんらかの不自由や不安を感じている。日本の人口の約30%を占めるマーケットがそこにある」ー。バリアフリーにすれば儲かる!というのだ。儲かることで取り組みが持続的なものとなり、本当の意味でバリアフリーが定着する、という狙いだ。
 その垣内社長の元には、企業から相談が続々と持ち込まれる。なかには結婚式場や、これまでバリアフリーとは縁遠かった霊園からの依頼も…。
 そうした現場で、「106センチ目線」から飛び出した提言は、意外なものだった。それがもたらす、思わぬ変革とは?
 自らの病気を受け入れるまで、葛藤を重ねてきた垣内さん。17歳から18歳にかけては、3度の自殺未遂を起こしたことも…。しかしそれをきっかけに、車椅子でもできることをやろうと決意。大学在学中の2010年、友人と2人で起業し、いまや社員も50人にまで急拡大している。
 ただ、健康には今も不安が…。現在も2〜3年に一度は必ず長期の入院が必要で、3年前には入院中に一時、心肺停止の危機に。おととしから去年5月まで入院したときには、家族や社員に向け「遺書」を書いて臨んだという。
 ようやく本格的に仕事に復帰したのは去年6月。しかし11月には、手術の後遺症の痛みで救急搬送された。そこまでして仕事に賭けるのには、ある理由があった。果たしてそれは、一体…?
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