フランスパンの伝道師 日本の食卓に起こした革命と新挑戦!

2018/09/27(木)22:00
お客が殺到!“ご褒美”に食べたいフランスパン
全国に約30店舗を展開しているフランスパンの専門店「メゾンカイザー」。本場フランスの伝統的な製法で焼き上げたパンが人気だ。客のお目当ては「バゲット」。パリッとした皮は厚めで香ばしく、中はもっちり。食感の秘密は、酵母菌や乳酸菌など3000種類の菌を培養して作る「天然酵母」だ。一般的に使われるイースト菌ではなく、天然酵母を使うことで風味や食感が良くなると言う。メゾンカイザーのパンは、店舗だけでなくフォーシーズンズなどのラグジュアリーホテルやフレンチの三國シェフがオーナーの「オテル・ドゥ・ミクニ」など、名だたる有名店が採用している。このフランスパン専門店を率いるのは、ブーランジェリーエリックカイザージャポンの社長 木村周一郎。実は木村は、日本で初めてあんぱんを考案したことで知られる「木村屋」の長男として生まれ、幼い頃から「あなたはパン屋さんになる」と育てられたのだが、暖簾に頼らず自分の力でやっていくことを決意、フランスで修業を重ね「フランスパンの伝道師」として日本で独自の地位を築きあげたのだ。日本のパンの歴史を背負って生まれた木村がパン業界に起こした革命とその原点に迫る。

日本の老舗パン屋の息子が挑む!フランスパンを日本の食卓に!
木村はあんぱんで有名な「木村屋」の長男として生まれ、大学卒業後は生命保険会社に入社。営業部門で業績を上げていった。7年目が近づいた頃「そろそろパン業界に入らないか」と父から言われ、パン職人の道に入ることを決意。しかし、木村屋を継がず、「50年に一度の天才パン職人」とも言われるフランスのエリックカイザーの店で修業を積む。木村は、初めてカイザーのパンを食べた時「こんな美味しいパンがあるのか」と衝撃を受けたという。早朝から日が暮れるまで働き、店を出る時はまつげの先まで粉で真っ白だったという。それから1年が過ぎた頃、カイザーから呼び出される。木村の働きぶりを認めたカイザーが、日本進出を任せると決めたのだ。木村は帰国すると高輪にフランスパン専門店「メゾンカイザー」をオープン。しかし当時、日本はメロンパンなどの「菓子パン」の全盛期。業界関係者の間では「絶対、失敗する」と囁かれた。その通り、オープン当時は看板商品のバゲットが1日14本しか売れず、ほとんど廃棄する毎日だった。そこで木村は「売れないなら、売りに行けばいい」と、パンを焼いては、近くの交差点で無料で配り続けた。それから半年後のクリスマスイブに奇跡が起こる。なんと店の前に行列が出来ていた。「特別な日に、特別なものを食べたい」とこれまで、試食した客が買いに来てくれたのだ。木村の試食作戦が見事に客の心を掴んだ。

“昔懐かしいパン”で新たな挑戦
9月オープンした商業施設「渋谷ストリーム」。ここに、木村が作った新業態のパン店「ベイキングシュウ」がある。焼きそばパンやハムカツパンなど、昔懐かしいをコンセプトにした店だ。木村は「今までやってきた事と180度違うことがしたくて挑戦している。究極の総菜パンを目指す。」と話す。さらに、店の目玉商品として用意していたのがなんと「あんぱん」だった。今まで手を出してこなかったあんぱんだが、なぜ今回、木村はあんぱんを作ろうと思ったのか?
続きを読む