幼児から高齢者までを徹底サポート 教育と医療福祉の2本柱で驚異のV字回復

2020/03/19(木)22:00
♪「まだかな、まだかな~学研のおばちゃんまだかな~」のCMで知られ、かつて子供たちに圧倒的な人気を博したのが、学研の月刊誌の教材「学習」と「科学」。学研は最盛期には、「学習」「科学」を中心に年間1000億円を稼ぎ出していたが、少子化と出版不況の影響などで2009年に「学習」と「科学」を休刊すると売り上げがガタ落ちし、経営危機に陥る。
その休刊から10年経った今、学研は売上高1400億円にV字回復、10期連続増収を達成していた。その立役者が現社長の宮原博昭だ。これまでの教育出版の一本足打法だった事業を見直し、学習塾の全国展開や、高齢者向けの介護施設の運営や医療福祉事業にまで進出し、奇跡の復活を果たした、宮原の改革手腕に迫る!

■子供だけじゃない!大人の心もつかむ学研
「学習」「科学」など子供向けの教育出版事業が一番の稼ぎかしらだった学研は今、大きな変貌を遂げている。
付録付きの月刊誌「大人の科学」は、自ら組み立てて作る蓄音機やドローン、活版印刷機、エレキギターなど大人の知的好奇心をくすぐる付録を開発し、これが大ヒット。変化の兆しは出版事業だけでなく、学研の柱である教育分野にも広がりを見せている。東京のお台場では、東京都英語村・TOKYO GLOBAL GATEWAYという海外の街並みを再現した空間を作り、また外国人を誘致して、リアルな空間で“本物の英語”が実体験できるイベントをプロデュース。子供だけでなく、教育分野だけではない。学研は、少子高齢化時代をにらんで医療福祉分野にも積極的に進出。サービス付き高齢者住宅「サ高住」やデイサービスなどの事業も展開。
教育分野での実績と経験を踏まえて、認知症予防のプログラムも利用者に提供し、人気を呼んでいる。

■経営危機の会社をV字回復させた宮原の社内改革!
「学習」と「科学」を休刊、売り上げも右肩下がりでどん底だった2010年、社長に就任したのが宮原博昭だ。宮原は防衛大学校出身で貿易会社に勤務していた異色の経歴の持ち主。そんな宮原だが、入社した当時は神戸で非正規雇用の「地域限定社員」として塾運営の営業現場を担当していた。だが阪神淡路大震災に遭遇した際、非正規雇用の権限に対して限界を感じる。不遇な人々を助けるためには「権限を持たないといけない」と思い、営業で成績を残し、また信頼を集めて、社長にまで登り詰めた。そして社長就任後は経営が行き詰っていた学研を、医療福祉や塾の全国展開で業績を回復させ、10期連続の増収と、V字回復を果たすこと成功した。

■認知症予防にも新たな一石を!
医療福祉分野においても頭角を現している学研は、超高齢化社会の課題の一つ・認知症治療についても新たな一石を投じようとしている。島根大学医学部と島津製作所などと連携し、認知症予防や認知機能改善のためのプログラムを開発中。
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