オンラインで説法も法要も!ウィズコロナ時代の寺改革

2020/08/06(木)22:00
400年の歴史を持つ東京を代表する浄土真宗の大寺院・築地本願寺。そのトップは元銀行マン・安永雄玄。前回、番組では旧態依然の寺社会を打ち壊す築地本願寺の革新ビジネスを紹介したが、安永の先見性と手腕は、今回のコロナ禍を予見していたかのようだった。寺院経営のあるべき姿や法要のあり方等、築地本願寺の動きや試みからウィズコロナの新時代を読み解く。

■《オンラインでコロナ禍から守る寺》
“開かれた寺”を目指し大改革を行っている築地本願寺。前回は「合同墓」「カフェ」「サロン」といった時代に合わせた安永の“リブランディング”を紹介した。現在、コロナ禍で様々な業界が苦境に陥っている中、築地本願寺も、参拝者が激減し、収入も億単位の打撃を受けていた。その中で安永は持ち前の行動力で、新たな取り組みに着手。「法要もNO3密」を掲げ、オンラインを使った様々な取り組みを行っている。
法要の中継は4カメで行い、カメラ、音声などすべてのスタッフは専門技術を学んだ僧侶だけ。
個人の法事でも、本堂まで足を運べない人のためにZOOMを使ったオンラインで配信。僧侶と直接やり取りしながら、自宅で法事を行うことができるように。さらにYouTubeで「築地本願寺チャンネル」を開設し、お寺のマナーやコロナ情勢の中で心を安らげるための法話などを動画配信。
銀座の築地本願寺サロンもオンラインでヨガ教室などを配信、数百名が参加する人気ぶり。これらの施策は、コロナ禍による苦肉の策というわけではなく、寝たきりの老人や、海外にいる近親者が参列できるようにと安永が前々から進めていたことが生かされる結果となった。“対面でなくても心は通じる”。コロナ禍を生き抜く安永の真意に迫る。

■《結婚相談からテレワークまで…寺のニューノーマルとは》
かつて寺は戸籍を管理する役所的な役割をはじめ、学校や病院のような機能を持ち、町のコミュニティーの中心的な場だった。築地本願寺では寺の持つ人と人を結ぶ役割を現代でも果たそうと結婚相手の仲介をする事業をこの夏から始めた。その名も築地の寺婚(てらこん)。さらにコロナ禍の世の情勢を見据え、僧侶たちの出勤率を50%にとどめ、テレワークを推奨している。安永は時流を敏感にとらえ、働き改革を含めた新たな取り組みや挑戦を内部からも仕掛けているのだ。

■《ビハーラ僧(看取り僧)をより身近に》
安永には前々からやりたいと思っていた計画がある。それは死期が近い人に寄り添い、安らかに現生を全うすることをサポートする「看取り僧」という僧侶の育成だ。浄土真宗の宗門ではビハーラ僧と呼び、築地本願寺の本山である京都の西本願寺には既に20名程度のビハーラ僧が活動しているという。安永は東京でも、この看取り僧の育成と人数の充実化を図ろうとしている。
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