立ち向かう!物流“危機”

2017/10/31(火)22:00
「獲れたてサンマ」「朝採れとうもろこし」−−。スーパーに踊る、“鮮度”をアピールする売り文句。少しでも新鮮な商品を求める消費者のニーズに応えるため、各社は商品調達で激しく競い合っている。
 それを裏で支えているのは、商品を産地からスーパーまで運ぶ、トラック運転手たちの存在だ。しかしその現場には、真夜中に長い距離を走ったり、労働が長時間に及ぶ、という問題が…。過酷な労働環境のため、トラック運転手になる若手の数は減り、高齢化が急激に進んでいた。物流業界はひそかに、「危機」に直面しているのだ。
 実はいま、そうした労働環境を改善し、日本の物流を維持しようと、各地で運送会社の挑戦が始まっていた。
 消費者の“便利”と、それを支える現場の“働き方改革”は両立するのか。「鮮度」や「日本経済」を支える舞台裏を取材し、そのあり方について考える。
 札幌市の運送会社「フジネット」。トマトやきゅうりといった北海道の青果を50年にわたって運び続けてきたが、ドライバーの労働時間の短縮を難しくする、ある問題に悩んでいた。
 野菜を運ぶ場合だと、大量に出荷される野菜のダンボールをトラックに積み込むのはなんと、ドライバー。そこから長距離を運転し、目的地の卸売市場に到着すると、今度は荷降ろし作業が…。本来の「走る」という業務以外の負担が、長時間労働を招く一因となっていたのだ。そうした労働環境もあって、フジネットではかつて58人いたドライバーが、40人にまで減少していた。
 なんとかして現状を打ち破ろうと、フジネットでは今、これまでにない“実験”を始めようとしていた。果たして、その成果は…?
 日用品から工業用品まで、様々な商品の輸送を手掛ける運送会社「トーエイ物流」(埼玉・久喜市)。いま“待ったなし”の危機に直面していた。トラックのドライバーの多くが40代で、20代のドライバーが1人もいなかったのだ。 “あの手この手”の努力を続けてはいるが、このままでは将来、会社を支えるドライバーがいなくなる可能性も…。
 2代目の遠藤長俊社長がその解決策として着目したのは、「高卒」の若い労働力。時間はかかっても一から育てることで戦力になって欲しい、という狙いだ。
 今年入社した高卒ドライバーは2人。求人を出してもなかなか応募が来ないなか、やっと入社してくれた“金の卵”。一体どうやって、会社に定着してもらうのか。遠藤社長が繰り出した、ある“秘策”とは?
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