東京“新名所”ウォーズ

2018/05/08(火)22:00
東京に「日比谷」という場所がある。商業エリアの「銀座」、官庁街の「霞ケ関」、ビジネス拠点の「丸の内」の結節点という、抜群のロケーション。しかし目立った商業施設が無く、週末は閑散としていた。そこに2018年3月、複合施設「東京ミッドタウン日比谷」が誕生した。手掛けたのは不動産業界最大手の三井不動産。都心最大級の映画館のほか、充実したレストラン街が入居。オフィスフロアにも、有名企業の本社移転が決まっている。日比谷は多くの人が行きかう街となるのか。ビッグプロジェクトの裏側と、日比谷にかける人々に半年にわたって密着した。

近隣エリアとの差別化の、重要なポイントが「レストラン街」。「他には負けない力のあるレストラン街になった」と話すのは、全ての店の誘致を取り仕切った、三井不動産の村田麻未さんだ。今回、日本全国はもとより世界6カ国を巡り、初出店・初業態店を数多く揃えた。そんな村田さんが「肝いり」とするのが、カジュアルフレンチレストラン「モルソー」。もともとあった目黒の小さな店舗を引き払い、ミッドタウン日比谷へ移転する。新店舗では厨房機器を一新したばかりか、新たに雇うスタッフの人件費や家賃などで運営コストはこれまでの約4倍となった。まさに人生をかけた大勝負。成功のカギを握る新メニューの行方は。そして客はやってくるのか?

そして、ミッドタウン日比谷に、社運を賭けた会社もある。創業109年。関東に36店舗を持つ老舗書店「有隣堂」だ。
書店業界はネット通販の台頭や電子書籍などで売り上げが激減。有隣堂も書籍の販売事業は3期連続の赤字となっている。そんな中で受けた三井不動産からの誘致。紹介された「客を呼ぶ店の仕掛人」、クリエイティブディレクターの南貴之さんと共に、これまでにない書店を作り出す。目指すは居酒屋や理髪店、アパレルショップも集結させた、ひとつの町のような店。投資額は有隣堂の年間の営業利益の約6割。
社内から懸念の声が出る中、松信さんは会社の未来のため、かつてない挑戦に立ち向かう。
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