巨大“規制”に挑む!〜バターの闇 新たな戦い〜

2018/08/14(火)22:00
 いま、バターを巡るある挑戦が、いよいよ実現へ向けて動き出していた。目標は「なるべく価格を抑えた、おいしい国産バター」。  それを支える大きな転換点のひとつが、今年4月の法改正。「半世紀ぶり」に、生乳の流通が自由化された。生産者が出荷先を選べることになったのだ。自らの努力と経営の才覚次第で、事業を大きくできる可能性がもたらされるはずだった。しかし、その行く手には、「半世紀」以上にわたってそびえる"壁"の存在が...。 日本の農業を強くし、世界の市場で付加価値のある日本の農産品を販売する−−。国が掲げる農政の大きな目標だが、一方で「生産者を守る」ための"規制"も存在する。そうした巨大な規制は、農政の目標実現に見合ったものなのか。そしてその規制は、消費者が望む農産品を、適正な価格で提供することができているのか。  「巨大"規制"に挑む!〜明かされるバター不足の闇〜」(2016年11月放送)から続くシリーズ第3弾。酪農の現場から改めて日本の今を見つめ、そこに横たわる課題と、日本の農業が秘める将来への可能性を考える。

MMJと取引したら…企業が手を挙げない“理由”とは?

日本国内では長年、酪農家が生産した生乳の流通は、そのほとんどが国の制度に従い、農協系の団体が運営する「指定団体」という組織が担ってきた。それに対して、「生乳の自由な流通」と「酪農家の収入増」「消費者へより安い乳製品の供給」を目指す茂木修一さん率いる「MMJ」(ミルク・マーケット・ジャパン、群馬県伊勢崎市)は、北海道の酪農家たちに、指定団体ではなくMMJに生乳を出荷するよう呼びかけていた。
 自分の判断で自由に酪農経営を行いたい若手を中心に、MMJへの生乳出荷は順調に増加していたが、一方で、問題も。その生乳を買い取って乳製品を作るメーカーが、「ある存在」を恐れて、なかなか現れなかったのだ。営業活動の末、とある企業がMMJの生乳を買い取ってくれることになったが、その企業に対して、農協系の団体から“通告”が。それは企業の将来も左右する、深刻なものだった…。

自由な取引から ついにバターが誕生!“安い国産バター”に消費者は…?

 海外から国が輸入するなどして、「国内で基本的にバター不足はない」とする農水省。しかし、ベーカリーやケーキ店などバターを使う現場からは、「国産のバターが欲しいのに、手に入りにくくて、価格も高い」という声が。現場が求めているのは、国産バター。それが、依然として入手しづらいという現状があった。
8月、とあるベーカリーを訪れたMMJの茂木さん。そこでは、茂木さんたちが試作したバターを使って、パンが焼かれていた。MMJはついに、酪農家から集めた生乳を使って、バター作りを実現したのだ。店内には「みんなのバター」と書かれた商品も。一般消費者が家庭で使うための試作品も完成させ、テスト販売するという。いまスーパーで販売されている国産バターより価格を安く抑えられたという試作品。店で手にした客の反応は…?
 巨大規制にとらわれず、自由な生産、流通を目指した茂木さんや酪農家たちの挑戦。「生産者の収入が増え、消費者もより安い乳製品が買える」という新しい農業と製造・流通の形は、この日本に根づくのか?
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