豊洲へ!男たちの闘い

2018/11/06(火)22:00
私たちの食卓を支える「築地市場」が、移転問題に揺れて約2年。10月11日、「豊洲市場」への移転が完了した。近年、産地直送など市場を通さない取引が増える一方、築地市場の水産物取り扱い量は年々減少、厳しい状況にある。そこに市場移転の多額な費用が重くのしかかり、小規模の仲卸業者の多くが廃業に追い込まれた。83年の歴史で築き上げた“築地ブランド”から、“豊洲ブランド”へ。これまでの発想や常識を捨て、豊洲新市場から新たなビジネスで勝負する、仲卸業者の闘いを追う。

築地よ、さらば!「豊洲市場」 開場1ヶ月後…どうなった?

7月31日。小池都知事は「豊洲は安全であり安心して利用できる」と築地から豊洲への市場移転を正式決定。築地市場最大の仲卸「山治」の代表 山崎康弘さん(49)は、「寂しいけど、知事が安全宣言を出して移転が決まった以上、もうやるしかない。」多くの仲卸業者も、気持ちに整理をつけた。豊洲新市場は、築地とは違い、外気が入らない「閉鎖型」施設。敷地面積は築地の1.7倍。新市場内で最大の店舗スペースを確保した「山治」は、冷蔵庫や水槽などの設備をすべて新調し、数千万円の投資をした。店名には「TOYOSU山治」の看板を掲げた。一方、これまで2年間に及ぶ「混乱」から、豊洲新市場への不安を払拭しようと、東京都も地方の水産業者を前に、必死のPR活動を開始。しかし、一部の業者からは安全面などで未だに不信感が…。熱狂と混乱で始まった、豊洲新市場開場から1ヶ月。
仲卸業者の山崎さんに密着。新市場に賭けた男たちの、知られざる闘いを追う。

最新鋭の豊洲市場を使え! 新たな「おさかな」ビジネスの成否は?

 豊洲市場は、最新の設備を備えた「閉鎖型」施設。温度管理や衛生管理が徹底され、生産から消費まで低温に保つ「コールドチェーン」に対応している。豊洲市場に新設された最大の武器が「加工パッケージ棟」だ。飲食業者からの加工需要に対応した施設で、魚の調理やパック詰めを衛生的にできるという。この新市場の特性を活かし、中央卸売市場初の試みに乗り出そうとしている仲卸業者たちがいる。手がけるのは、加工済みの鮮魚と野菜をパックにした、宅配用キットのネット販売や、キッチンカーを使った新たなフードビジネス。卸業からサービス業に自ら業態を変え、生き残りを図る仲卸業者たちを追う。
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