あなたの“愛用品”その行方

2019/02/12(火)22:00
「メルカリ」などスマホを経由した個人間の中古品取引が勢いを増す中、バッグや時計など高額な中古ブランド品を扱うリユース業の「買取合戦」が激化している。
そんな中、創業71年の老舗、ブランド品リユース最大手の「コメ兵」(名古屋市)は、長年蓄積してきたノウハウをもとに、ブランド品が本物かコピー品か見分ける「真贋判定」をさらに強化する一手に出た。そこには、海外進出を見据えたある狙いが…。
一方、創業わずか7年、急速に売り上げを伸ばす「SOU」(東京・港区)が、新たな市場として狙いを定めたのは香港。そのワケとは?
そして、過熱する買取合戦の背後に浮かび上がってきた、日本で使われた中古ブランド品の意外な「行き先」。高額品を買い占めていたのは、「ソーシャル・バイヤー」呼ばれる、中国の消費者のために「買い物代行」をする在日中国人たちだった。彼らが市場に与える影響とは…?そして、中古品をめぐる戦いの行方は…?

■最大手の老舗 逆襲の一手は…?
創業71年、ブランド品リユースでは業界最大手の「コメ兵」。最大の武器は、長年培ってきた「真贋判定力」。つまり、持ち込まれたブランド品が、本物かコピー品かを見分けるノウハウ…まさに事業の生命線だ。新規参入の増加などによる競争の激化に危機感を募らせているコメ兵。今回、新たなプロジェクトとして発表したのが、中古ブランド品の真贋判定にAI(人工知能)を導入するというものだ。本物とコピー品の膨大なデータを蓄積しているからこそ可能なのだという。責任者の山内祐也さんは言う。「すぐに鑑定できるので、お客さんを待たせないですむ。買取の回転率も上がる」。
そして、コメ兵がそのプロジェクトに力を入れるのには、もうひとつ大きな理由が。それは中国進出。「国内市場はいずれ頭打ちになる。ブランド品の需要が高い中国で定着を目指したい。」“コピー大国”とも言われる中国での新たな挑戦の行方は…?

■元Jリーガー社長率いる!急成長の新興勢力
一方、急速に売り上げを伸ばす「SOU」(東京・港区)。創業7年で年商は315億円。異色なのは、全国に55店舗を展開する「なんぼや」が「買取専門」だということ。買い取った商品の9割は店頭で売らず、オークションを開催しバイヤーに販売している。社長の嵜本晋輔さんは言う。「在庫をもたないのがうちの強み」。
実は、嵜本社長は元Jリーガー。高校卒業後「ガンバ大阪」に入団するも、わずか3年で戦力外通告。その後、父親のリサイクルショップを手伝いながらブランド品リユースの世界に入った。そんな嵜本社長の新たな取り組み、それは「販売」を手掛ける店舗。「ALLU銀座店」は、ブランド店でも手に入らない、希少価値が高い「ヴィンテージ」だけをよりすぐった高額品の専門ショップだ。ターゲットは在日の中国人バイヤー。中国本土の客のために「買い物代行」を個人で請け負い、SNSを使って転売する、いわゆる「ソーシャル・バイヤー」だ。年々増加するソーシャルバイヤーの取引額は、今や年間3000億円とも言われ、中でも、日本の質のいい中古の時計やバッグ、ジュエリーの人気が高まっているという。中国人による「爆買い」はカタチを変えて続いていたのだ。そんな状況を受け、嵜本社長が新たに狙うのは香港。しかし、そこには大きな壁が…。
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