食欲の秋!総菜・弁当の陣

2019/09/10(火)22:00
 近年、食全体のマーケットは減少傾向となっているが、総菜やコンビニ弁当など調理済み食品を家で食べる“中食”市場は、働く女性の増加や高齢者の単独世帯の増加などもあり、着実に伸びている。そんな中、総菜に一層力を入れるのが、人気スーパー「成城石井」。社長自ら世界に飛び出し、日本人にも合う、これまでにない総菜を作るという。その一部始終に密着。さらに、都会の八百屋が挑む、農家も消費者もそして店も幸せにする弁当とは・・・。食欲の秋にかけて一層競争が激化する“中食市場”、その最前線を取材する。

【本格エスニック総菜を新たなヒット商品に!~成城石井~】
人気スーパー「成城石井」。こだわりの食品やワインやチーズなどの輸入品などが客の支持を得ているが、実は全体の売り上げの2割を占めるのが「総菜」だ。自社のセントラルキッチンでそのほとんどを手作りするこだわりよう。その売り上げ比率は一般のスーパーの倍と、まさに稼ぎ頭となっている。しかし、原昭彦社長は今の状況に、ある危機感を抱いていた。「ここ5年、売れ筋はほとんど変わっていない。新たな定番総菜を作り出さないといつか飽きられる」。そんな原さんが目を付けたのが「シンガポール料理」だ。基本的にはスパイシーなエスニック料理だが、中国、マレーシア、インドなど色々な食文化が集まったシンガポールではそれがうまくミックスされ、日本人の舌にも合う料理が多くある。原さんはこのシンガポール料理から新たなヒット商品を生み、今後の定番商品を生み出そうというのだ。商品開発を任されたのは、総菜担当のエース、勝本浩二さん。5月末、原さんは勝本さんを連れ、シンガポールへ飛んだ。庶民向けの屋台からミシュラン星付きの名店まで、とにかく食べまくりの視察。食べるだけでなく、気になった料理があったら、厨房まで行きシェフに材料や作り方を聞き込むなど、3日間で18軒の店を食べ歩いた。帰国した勝本さんは早速、本場の味を再現しながら、日本人に合う味の総菜の開発に取り掛かる。今回試作する総菜は全6品。8月から全店で開催する「シンガポールフェア」で販売し、消費者の反応を見極めるのだ。今回のミッションは、フェアでの成功だけではなく、あくまで今後も店に並び続ける定番商品を作ること。果たして、本場の味を残しつつ、舌の肥えた日本の消費者を唸らせる総菜はできるのだろうか・・・。

【異色の八百屋が挑む!“規格外”のフルーツ弁当 ~アグリゲート~】
 赤坂、虎ノ門、大崎など東京都心のオフィス街に昔ながらの店構えをした人気の青果店がある。アグリゲートが運営する「旬八青果店」だ。産地の魅力的な食材を発掘。さらに形が不揃いな“規格外”など「市場に出回らない野菜」を独自に仕入れて格安で販売している。
 そんな「旬八」には昼時になると、OLやサラリーマンの行列ができる。彼らの目当ては、新鮮な野菜をたっぷり使った「ヘルシー弁当」。主食の唐揚げやサバ味噌などに、旬の野菜の蒸し焼きと副菜が付いて、500~600円台と格安だ。使っている野菜はどれも規格外ばかりだが、「コンビニの弁当よりもヘルシー感があるし、何より野菜がおいしい」と女性客を中心に人気を博している。「八百屋ならではのお弁当」を作りたいと、2年前から本格的に弁当製造事業を開始した左今克憲社長は、「新鮮・美味しい・適正価格がうちのモットー。小売りだけでは伝わらない青果の魅力をお弁当という形で届けたかった」と話す。いまでは弁当の売り上げは全体の4割。その人気もあって同社全体の売り上げは5年ほどで約10倍に成長した。
 旬八の弁当は野菜の旬に合わせて季節ごとにいろいろなメニューを開発している。その責任者が、畠山大毅さん(39歳)。食欲の秋に向けて、これまでにない弁当を考えていた。メインターゲットは「女性」。そこで目を付けたのは、旬を迎える「桃」だ。今まで果物を全面に押し出した弁当は開発したことがないという。早速、桃の名産地・福島を訪れた畠山さん。野菜のプロがこれまでにないアイデアで生み出す“桃づくしの弁当”とはいったい・・・
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