争奪!“絶品”グランプリ ~新時代の農家“スター誕生”~

2019/10/15(火)22:00
日本の農産物のレベルは世界屈指…と言われるが、農家を取り巻く現状は厳しい。高齢化や後継者不足に加え、消費者のレベルも上がり、ただ“いいもの”を実直に作っているだけではなかなか生き残っていけないのが現実だ。そんな中、地方の農家と異業種をコラボさせて、農作物を“売れる商品”にブラッシュアップさせるプロジェクトが成果を出し始めている。農家たちは異業種と絶品グルメを開発。年に一度、「にっぽんの宝物」グランプリというコンテストで競い合う。ここで高評価を勝ち取れば、日本のみならず、世界にもPRできるチャンスをつかむことができる。すでに年商が100倍になった農家まで出現している。  
そして今年もまた、チャンスをつかもうと、全国の農家がプロジェクトに参加した。名もない農作物が宝物に変わり、“スター農家”が誕生するその瞬間に密着する。

◎年商80万円が100倍に!?“スター農家”が全国各地に続々誕生!
女性に人気の食のセレクトショップ「DEAN&DELUCA」。この店で人気なヨーグルトがある。「ミルコロエイジングヨーグルト」。人気の秘密はクリームチーズのような濃厚な層とフレッシュヨーグルトの層、2つの風味を味わえること。手掛けるのは熊本県合志市にある牧場「オオヤブデイリーファーム」。牛乳の生産調整などでかつては月収5万円と苦しんだが、現在ヨーグルトだけで7500万円以上を売り上げるまでに。今年には、専用工場も建てるなど、まさに“スター農家”へと歩み始めている。さらに高知県の山奥、仁淀川町にも、スター農家へと上り詰めた人がいる。お茶農家の岸本憲明さん(37歳)。岸本さんが地元の中華料理店などと組んで開発した「茶大福」が大ヒット。80万円だった年商が、今では100倍にもアップしたという。
彼らに共通しているのが、「にっぽんの宝物」というプロジェクトに参加したこと。ここで評価を勝ち取ったことで、“スター農家”への道を歩み始めることができたという。農家たちの夢を叶える、「にっぽんの宝物」とは一体・・・?

◎令和の 農家“スター誕生”プロジェクトに完全密着
毎年開催されている「にっぽんの宝物」プロジェクト。まず、熊本、高知、沖縄、千葉など全国6つの県で開催されるセミナーから始まる。セミナーに参加するのは、農家や漁師など1次産業の生産者を中心に、加工業や流通業、サービス業の担い手など。最大の目的は異業種同士の“コラボレーション”だ。まるでお見合いパーティのように参加者が自己紹介と自己PR。一緒に組んで商品開発をしたい相手を見つけ、農作物を「6次産業化」する。農家だけでは気が付かないアイデアやヒントで“売れる商品”を作るというのが狙いだ。年商が100倍になった高知のお茶農家の「茶大福」もこのコラボから生まれた。こうして開発した商品は、各地域で行われる「地方大会」で競わせる。商品力は当然のこと、農家たちが自ら審査員に向け、経験したことのないプレゼンを行なう“プレゼン力”も大きく問われる。地方大会を勝ち抜くと、東京で開催される「全国大会」へ駒を進め全国の猛者たちと争う。さらにそこを勝ち抜くと、海外のホテルや飲食店にアピールできるチャンスがある「世界大会」へ進出できるのだ。それぞれの大会で勝ち抜くと「グランプリ」の称号が与えられ、その後の販路の拡大につなげることができる。
 このプロジェクトの仕掛け人は羽根拓也さん。本業は人材育成のコンサルタントだが、羽根さん自身も奈良県十津川村という過疎化の進む村の出身。“地方の農家”の現状を肌で感じてきたことがこのプロジェクトを立ち上げたきっかけだ。そんな羽根さんのもとには、今年も全国各地から参加したいという農家が殺到。番組では「にっぽんの宝物」プロジェクトに一から完全密着。果たして今年はどんな“スター農家”が誕生するのだろうか。

◎「父のメロンを全国へ!」頑固親父と娘 涙のドラマ
 長崎県・島原半島では今年度も、地方大会が迫っていた。参加した農家の一つ、雲仙市で200年続く「栄木農園」。栄木正孝さんが(66歳)が手掛けているのは、糖度の高さが特徴の「雲仙グリーンメロン」。しかし、正孝さんは「作れるメロンの量も限られている。地元客に喜んでもらえればそれでいい」と、地元の固定客に売るだけだ。後継者も決まっておらず、このままでは遠からずメロン農家をたたむことになる。そんな父の農園を手伝うのは、娘の志穂さん(40歳)。3人の息子を育てるシングルマザーだ。将来のためにもメロンづくりを父から教わりたいという志穂さんだが、正孝さんは「娘は雑だから、メロンづくりの技術を教えるつもりはない」と頑固だ。
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