追跡!余った服の行方

2020/01/28(火)22:00
流行り廃りが激しいファッション業界。日本では1年間に約29億点の衣類が供給されているというが、実はその半分以上の約15億点以上が売れ残ったり、在庫のまま眠っているという。この“余った服”はどうなるのか・・・。その衝撃の現場を取材する。
そんな中、この“衣料廃棄ロス”問題を解決しようと、ベンチャーや大企業が、新たな取り組みを始めていた。その取り組みは海も超えていた。新たな“衣料リサイクル”の形を探る。

■新品の服が・・・焼却処分!驚くべき“余った服”の最期
 取材班はある倉庫を取材した。そこでトラックに詰め込まれたのは、段ボールに入った大量の服。しかもすべて新品だという。トラックの後を追うと、焼却炉へ。服は新品のまま破砕され、焼却処分にされた。これらはアパレルブランドからの発注で生産したものの、キャンセルされたり、見込み違いで余剰な在庫になってしまった服だ。焼却の現場に立ち会っていたのは、服を製造した業者の担当者たち。「廃棄するために作っているわけではない。でもこれらがブランドの名前が付いたまま、安売りなどに回されると、ブランドの価値が棄損してしまう。泣く泣く処分するしかない」と話す。新品の服の半分以上が一度も袖を通されることなく、闇に葬られている実態があるのだ。

■ブランドの“余った服”が100円で買える!? 驚きのビジネス     
 そんな“余った服”を抱えたアパレルブランドや生産者たちの駆け込み寺がある。大阪のベンチャー企業「ショーイチ」。余った在庫や売れ残りの服を買い取る業者だ。取引するアパレル関連業者は2000社以上。買い取る服は年間1000万枚にも上る。買い取り金額は定価の1割ほど。買い取った服のほとんどは、ブランドのタグを切って、“ノーブランド”品として、自社で運営するサイトや、東京や大阪に10つある店舗で、激安価格で売る。最終的には100円で売られるものも…。ショーイチの山本昌一社長(41歳)は「いまのアパレルのやり方では在庫や売れ残りが出るのはしょうがない。それをきちんとリサイクルするこのビジネスは業界にはなくてはならないもの」と話す。
 そんな山本さんの元には新たな大口の相談が。11月、コートやダウンジャケットなど数万点が持ち込まれたのだ。これから冬本番という時期なのに全てが“余った服”だという。いったいどういうことなのか・・・。

■ 世界中の余った服を買う!バングラデシュで見た理想と現実
服に特化した買い取り業者として日本でも指折りの存在となったショーイチ。社長の山本さんの目は世界に向いていた。「世界中に余った服がある。これを日本に持ってきて売りたい」。去年12月、そんな思いを胸に降り立ったのはバングラデシュ。アパレルの輸出量で世界2位の国だ。さっそく現地の工場を訪ねる山本さん。日本を始め、世界中のブランドの発注でたくさんの服が作られていた。その倉庫を覗くと、ここにも大量の服が・・・。もしもの時のために余分に多く作った服が在庫として眠っていたのだ。さっそく買取交渉に入る山本さん。しかし、輸入するにはコストがかかり、なかなか買い取り額で折り合いがつかない。そんな中、日本から買い取り業者がやってきたと聞いて、大量の服を抱えたブローカーが接触してきた。果たして交渉は成立するのか。そしてその服の行先は・・・
 さらに山本さん、バングラデシュを舞台に、新しいビジネスモデルも作ろうとしていた。それは服ではなく、余った生地の買い取り。これを使って何を始めようというのか。

■あの有名ブランド自体が仕掛ける「年中セール」の店 その秘密は!?
“衣料廃棄ロス”は大手ブランドにとっても頭の痛い問題だ。ファッションの世界では半年や1年以上先のトレンドやニーズをにらんで服を作るのは当たり前。また、消費者に多様な選択肢を用意するにはいろいろなタイプの服を作ることが必要だ。その数を1着でも減らす努力はしているものの、根本的な解決にはつながっていない。
そんな中、大手アパレルブランドの「ワールド」は新しい取り組みを始めていた。それは売れ残った在庫品を年中3割引から最大9割引で売るという店舗だ。一般的なアウトレットショップは、基本的に1つのブランドを扱うが1店舗で複数のブランドの服が格安で買える。しかも最近のアウトレットは専用品を作っているが、この店ではあくまで“余った服”を格安で売るので、衣料ロスの削減が期待できるという。もちろんワールドの取り組みはこれだけではなかった。本格的に“衣料廃棄ロス”問題に取り組み始めたアパレル企業の最前線を取材する。
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