コロナ禍で定点観測 飲食店を救う“ドクター”に密着!

2020/06/23(火)22:00
緊急事態宣言が解除され、街には活気が戻ってきたかに見える。しかし、新型コロナウィルスは多くの飲食店に打撃を与え、個人店からチェーン店まで閉店が相次いでいる。
「これ以上続けていけない…」。5月、都内の居酒屋店主は呟いた。緊急事態宣言下で、夜間営業は自粛。昼間の弁当の売り上げだけでは10分の1にもならない。店舗の賃貸料や人件費、水道光熱費など固定費の支払いにも限界があり、事業継続を断念した。
全国で、4月の「飲食業」倒産は80件で、1992年以降の30年間で最多を記録。政府や自治体は休業に対する協力金の支給などを進めるが、時間がかかる上、金額も規模によっては十分とは言い難いという。
そんな中、こうした飲食店に救いの手を差し出したのが、中古厨房機器販売を中心に手がける「テンポスバスターズ」(東京・大田区)。彼らはこれまで、営業のかたわら飲食店経営者たちの悩みの聞き役となってきた。そして、その経験で蓄積してきたノウハウを活かすべく始めたのが、飲食店支援事業「ドクターテンポス」。新型コロナウィルスで多くの店が苦境に立たされている今こそ役に立ちたい…。果たして、店主とともに未曾有の危機を乗り越えることはできるのか?その挑戦から、コロナ時代の飲食店のあり方を模索する。

■飲食店を救え!“助っ人”たちが動き出す
閉店した店から厨房機器が搬出されトラックに積み込まれる。満載した2トントラックが向かった巨大な倉庫には、首都圏から運ばれた厨房機器がうず高く積まれていた。業務用冷蔵庫に製氷機、串カツ店のフライヤー、焼肉店の鉄板…中には新品同然のものまで。いまは「完全なる供給過多」だ。テンポスバスターズは、それらを修理して磨き販売するビジネスを97年以来続け、現在、全国に59店舗を展開。「時にハイエナと揶揄されてきたが、飲食業界に支えられてきた会社だ。いまこそ恩返しのつもりで飲食店を救いだせ」。森下社長は社員にハッパをかける。森下の肝いりで始めた飲食店支援事業「ドクターテンポス」。そのスタッフの使命は、店主と一緒に悩み「生」への解決策を見出すことだ。

■ナイトライフに“夜明け”は…歌舞伎町のスナックを生き残らせるには? 
ドクターテンポスのチーフドクター・鬼頭一将さん(41歳)の元にSOSが飛び込ん
できた。新宿・歌舞伎町で16年間営業を続けているカラオケスナック「スタジオ向日葵」の店主・立花たくやさん(60歳)からだ。立花さんは自ら演奏する“生バンドカラオケ”で客を楽しませてきた。しかし、夜8時から朝5時までの典型的な夜間営業の店。東京都の要請を受け4月10日から休業したため、4月の収入はわずか9万円。固定費などの未払いは50万円以上にのぼり、生活費もままならない状態が続く。店を畳んだとしても、不動産契約の取り決めで3カ月分の家賃を請求される。「続けるも地獄、やめるも地獄…」。
鬼頭さんは、そんな立花さんの給付金の手続きなどをサポートする他、将来に向け新規客を獲得しようと策を練る。しかし、課題は山積み。時には感情をぶつけ合いながら、二人三脚で店を残す方法を探っていくが…。

■二度目の災厄を乗り越えろ!テイクアウトの“新たな形“とは?
東京都・世田谷区にある居酒屋「ジョーズマン2号」の店主、高崎丈さん(38歳)は福島県双葉町の生まれ。地元で両親が営む洋食屋を手伝いながら自身も居酒屋を経営していたが、3.11の原発事故で店をたたんだ。そして、再起をかけ上京し開いた三軒茶屋の店。固定客がつき始めた矢先、今回、二度目の災厄に見舞われた。4月から洋食メニューのテイクアウト営業を始めたが、2人いる従業員の給料を払うのがやっとだ。
そんな高崎さんの元を訪れた、テンポスバスターズ の品川絵美さん(40歳)。今回、「ジョーズマン2号」の営業継続を目指し仕掛けるのは、近隣の飲食店を巻き込んだ「会員制弁当プロジェクト」。月額500円の会費を払えば、各店舗で「限定豪華弁当」を割安で買えるというものだ。“地域”で盛り上げることで売り上げ向上を狙うが…。

【取材先】
・テンポスバスターズ(東京都・大田区)
・スタジオ向日葵(東京都・歌舞伎町)
・ジョーズマン2号(東京都・世田谷区)
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