家電ベンチャーからの挑戦状

2012/10/23(火)22:00
9月下旬、東京・新宿に注目の店舗が誕生した。家電量販店のビックカメラと、衣料品のユニクロがコラボした「ビックロ」。Yシャツの近くにアイロン、エアコンの近くにダウンジャケットなど、家電と衣料をうまく組み合わせて、客を引き付ける戦略店舗だ。その背景には、家電販売の不振がある。エコポイントの反動などで大手電機メーカーの決算も軒並み赤字と、ニッポンの家電業界は苦境に立たされている。
そんな中、家電業界にベンチャーが続々と参入している。この夏、売り切れが続出した、内と外で形状が違う二重構造の羽根の扇風機。開発したのは、東京・吉祥寺の、社員わずか21人の「バルミューダ」だ。社長の寺尾玄さん(39歳)は元々、ミュージシャン。町工場で修業した後、2003年に起業した。「世にないものを作り続けたい」という寺尾さんの元には大手メーカーから転職した技術者が数多く集っている。次に開発に取り組むのが「空気清浄機」。大手も力を入れ、競争が激化している分野だ。寺尾さんはあのオリジナルの二重構造の羽根を使ってこれまでにないものを作ろうとしていた。新商品「ジェットクリーン」は再び業界に旋風を巻き起こすことが出来るのだろうか?
また、たった一人で、開発から設計、製造、販売まで行っている家電メーカーもある。29歳の八木啓太さんが立ち上げた「Bサイズ」だ。神奈川県小田原市の一軒家が、自宅兼研究所兼工場。元々、富士フイルムの技術者だったが、「自分が考えて作った商品を出したい」と去年起業した。“八木流”のものづくりは、独自の発想やデザインに加え、すでにある技術を積極的に使って早く商品化すること。その第1号が、去年末に発売したLEDスタンド。LED自体は大手メーカーの技術を使い、町工場の曲げ加工を採用してスタイリッシュなデザインに仕上げた。
次に狙うのはスマートフォンを置くだけで充電できるもの。基盤は既製のものを使うが、今回こだわるのが、日本らしい“木製”にできないかということ。しかし、木は強度が弱い。そこで、岐阜・高山市の家具メーカー「飛騨産業」が持つ、木をプレスして厚さを半分に、強度を4倍にするという圧縮技術に目を付けた。だが、これを小さな充電器に応用するということはこれまでにやったことのない挑戦。試行錯誤の先には、新たな可能性が広がっていた。
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