コロナに思う

各界の著名人によるリレーメッセージ「コロナに思う」。この特集では、WBSで放送した全てのメッセージをご覧いただけます。

2020/06/23(火) <WBS>コロナに思う#43 ジム・ロジャース

2020/06/23(火) 23:00
コロナに思う#43 ジム・ロジャース
リレーメッセージ「コロナに思う」。今回は、伝説のヘッジファンド、クオンタムファンドをジョージ・ソロス氏とともに設立したことなどで知られる投資家のジム・ロジャーズ氏です。世界を変えたといわれる新型コロナですが、ロジャーズ氏は、危機の中にもチャンスの芽は見つけられるといいます。

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マーケットと経済は全く別物です。新型コロナ以降、どの政府もとてつもない金額の紙幣を刷り、使っています。巨額マネーの一部は市場に流れ込んでいます。日銀も含めて毎日紙幣を刷り、大量に株式、ETF、債券などを購入していてマーケットは実体経済よりよく見えています。世界にとって良いことではありませんが、マーケットにとっては別です。

政府はそれしかやっていない。でも、これは正しいことではない。来年以降、債務は世界中でとても大きく膨らんでいるでしょう。若い人にも高齢者にとっても問題ですが、特に(将来を担う)子どもにとっては深刻です。これから数年は以前のような繁栄はないでしょう。債務が大きく膨らむからです。

ただ世界は常に変化しています。航空業や観光業というのは大幅な下落状態ですが、3年後、5年後、人々が日本に来る際には船ではなく飛行機を選ぶでしょう。しばらくの間、世界は以前ほど繁栄しないかもしれませんが、いつか人々は飛行機にまた乗るし、旅行も外食もし始めると思います。

それにこれから新しい産業が浮上します。私はテクノロジーに詳しくありませんが、もしあなたが詳しければ大きなチャンスになるでしょう。私の子どもたちは今、自宅でのオンライン教育で勉強していますし、多くの人が食べ物をネットで注文しています。このうちいくつかはここ数年で急ピッチで成長していくでしょう。

ファッション、食べ物、自動車など自分の得意分野を大事にしてください。あなたの得意分野であれば、私より詳しいのだから、それを大事にすべきです。あなたの前にチャンスが転がり込んだとき、私よりも早く見つけるでしょう。何かを見つけたらリサーチして、そこに投資をしたら絶対に成功しますよ。
0:03:23

伝説のヘッジファンド、クオンタムファンドをジョージ・ソロス氏とともに設立したことなどで知られる投資家のジム・ロジャーズ氏です。世界を変えたといわれる新型コロナですが、ロジャーズ氏は、危機の中にもチャンスの芽は見つけられるといいます。

2020/06/17(水) <WBS>コロナに思う#42 小林喜光会長

2020/06/17(水) 23:00
コロナに思う#42 小林喜光会長
リレーメッセージ「コロナに思う」。今回は、経済同友会の前代表幹事で「財界のご意見番」として知られる三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長です。新型コロナ感染拡大以降、続けている在宅勤務を通じてビジネスのあり方に大きな変化を感じているといいます。

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次から次へとWEB会議がアレンジされているから、かえって忙しいんですね。だけど夜(の日程)がない。土曜、日曜も結構本が読める。ワークライフバランスはこういうことなのかと。営業と称して、夜に会合をして、酒を回し飲みして、ゴルフでという時代は終わったんだろう。密着して情の絡んだ世界から、よりクールで理であり、知である世界に転換していく。その大きな流れはもう変わらないでしょうね。

営業というのも足で稼ぐ部分もあるだろうけど、もう少し民民の取引もWEB系、Eコマース的なところに入っていく。そういう変化もあるでしょう。製造現場に至ってもIoTやロボティクスとか、ITテクノロジーをより密に入れ込む。あるいはネット系のテクノロジーも入れ込めば、やっぱり相当な人を介さないで効率よくなる。余った人はもっとプロダクティブというか、知的な、あるいは価値創造の方向により転換していく。

大きな岩盤、重い石がコロナによって少し動き出してきたので、これをまさにチャンスにしてデジタル化を加速するのが非常に大きな一つ。あとはサプライチェーンを変えていかないと、ほとんど中国一辺倒で今まで株主資本主義というか、資本効率、コストだけを考えて経済活動をやってきたわけで。そうすると経済安全保障やナショナルセキュリティを考えながら物流もある程度設計していかなくてはならない。

コロナは少なくとも2~3年して収まるでしょうし、DNA、RNAが変換してより人間に違う戦いを挑んでくるかもしれないが、それで人類が全部滅びるまではいかない。環境問題、CO2は経済が今回これだけ悪くなっても、空気がこんなにきれいになったという場所が世界にあるわけだけど、それでもCO2は減ってないんですね。C O2は2050年ゼロにしなきゃ、おそらく(気温は)3度、5度は上がって、島しょ国はもう水びたし。今日あたりも6月でこんなに暑くなっちゃって、明らかにクライメートチェンジじゃないですか。これはコロナ以上に人類の破滅を意味する。それもただあと20年か30年以内なんですよね。

企業活動がそういう社会的なものをどれだけ変えていけるかという価値がものすごく重要になっている。
0:04:20

経済同友会の前代表幹事で「財界のご意見番」として知られる三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長です。新型コロナ感染拡大以降、続けている在宅勤務を通じてビジネスのあり方に大きな変化を感じているといいます。

2020/06/16(火) <WBS>コロナに思う#41 医師 清田明宏氏

2020/06/16(火) 23:00
コロナに思う#41 医師 清田明宏氏
各界で活躍する人によるリレーメッセージ「コロナに思う」。今夜は、およそ550万人のパレスチナ難民を支援するUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関の保健局長を務める医師の清田明宏さんです。

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コロナの時代に最も大事なことは決して誰も置き去りにしない。特に社会的弱者を決して置き去りにしないことです。世界中の社会的弱者を支援しない限り、コロナを抑え込むことはできません。ウイルスは国境、人種、地理的な壁、政治的な壁、あらゆる壁を越えて広がります。ウイルスにとってわれわれの違いは全く関係ありません。全ての人に新型コロナウイルスはうつる可能性があります。

それでは、なぜ社会的弱者なのでしょうか。私が仕事をしているパレスチナ難民は、過去70年以上にわたって難民生活を続けています。難民の数は約560万人。いまだに難民キャンプに住む人もいます。彼らは社会的弱者です。

そして、その国の医療政策に必ずしも取り込まれていません。国連が資金援助をしない限り、新型コロナウイルスの検査や治療が受けられないことがあります。もし受けられないと彼らのコミュニティで新型コロナウイルスが広がります。そして、その国に広がり、その地域でも広がります。パレスチナ難民は経済的弱者です。新型コロナウイルス対策の経済的インパクトを最初に、強烈に受けます。失業や収入低下で生活が脅かされます。新型コロナウイルスで命が脅かされ、生活全体が脅かされます。

それでは、どうすればいいのでしょうか。公正で包括的な、医療だけでなく経済、社会、あらゆるものを含んだ対策が必要です。その中で社会的弱者を決して忘れないこと。彼らのニーズに応えていくことが大事です。そうしなければ新型コロナウイルスを抑え込むことは不可能になるからです。

日本にできることはなんでしょう。日本の国際協力は実は非常に高く評価されています。特に人道支援。困った方への現場に寄り添い、ニーズに反応する。そういう支援を日本はずっと続けてきました。弱者にフォーカスした支援を続けることが重要だと思います。新型コロナウイルスがわれわれに掲げる本当の問いは、われわれはいったいどのような社会を作りたいのか。どのような世界を作りたいのか。社会的弱者を含め、いかに公正で包括的な”決して誰も置き去りにしない”をどのようにして作りたいのか。それをわれわれに問いかけていると思います。
0:03:44

およそ550万人のパレスチナ難民を支援するUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関の保健局長を務める医師の清田明宏さんです。

2020/06/11(木) <WBS>コロナに思う#40 大木隆生教授 東京慈恵会医科大学

2020/06/11(木) 23:00
コロナに思う#40 大木隆生教授 東京慈恵会医科大学
リレーメッセージ「コロナに思う」。今回は東京慈恵会医科大学で外科統括責任者を務める大木隆生教授です。
大木教授は、個人の見解としながらも、新型コロナ対策について発想の転換が必要だと提言しました。

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私は外科医で感染症の専門家ではありませんが、今回のパンデミックに関して多くの勉強をして、そこから見えてきたものがありますので、ご紹介させていただきたいと思います。

まず冒頭に申し上げたいのは、このパンデミックにおけるゴールはただ一つ。それは世界規模で集団免疫を獲得するというものであります。そこに至るルートはワクチンを待つか、あるいは自然感染で集団免疫を獲得するかということは念頭に置いて置いていただきたいと思います。

この3ヵ月間の経験からわかったことは、日本では一見感染爆発が起こったかのように見えますが、他国のグラフと一緒に並べてみますと、実は日本では感染爆発、オーバーシュートが起こっていないことは明らかであります。

もう一つわかったことは、日本におけるコロナ感染症の死亡率が極めて低いということであります。死亡率は5.3%と言われています。これは欧米の10~20%に比べて低い値ではありますが、それでも5.3%は怖い病気と感じてしまいます。しかし、最近行われた慶應大学病院における熱のない患者に対するPCR検査、あるいは巨人軍関係者に対する検査で、慶應大学病院では2.7%の陽性、巨人軍では坂本選手を含む1%にコロナ感染者がいることが判明しました。

これらをもとに日本における真の感染者数を逆算しますと130万人から390万人規模ですでに感染者がいるということになり、そうしますと死亡率は900人ですから5.3%ではなくて0.02~0.06%と季節性インフルエンザと同レベル。過度に恐れる病気ではないということが明らかになりました。これらのことを念頭に発想の転換をし、政策を変更してもよいのではないかと思うわけです。

今まで慈恵医大を含めてコロナ患者を引き受けた病院は軒並み赤字になっていますが、それではコロナ患者のたらい回しということになりかねませんので、政府は思い切って(コロナ患者を受け入れた)病院に財政支援し、医療体制を強化する。そうすればコロナによる医療崩壊が一層防げて、一層安心して経済を回すことができると思います。

このような前提で経済を今よりも自由に回し、人々の生活においては手指衛生やマスク着用など基本的な感染対策をするというサステナブルな政策を取って、しかもそれが取れるのは日本の特権ではないかと感じております。ただし、それを野放図にやりますと感染爆発、医療崩壊ということになりますから、このようなウォッチする必要があります。

重症患者数 / ICベッド数>50%など。

従来の感染者数に着目したものではなく、医療崩壊が起こるか起こらないか50%ラインにリミッターをかける。この分母のICUベッド数。これはぜひ国の支援を得て、分母を大きくする。感染者数が増えることに一喜一憂するのではなく、肝心なこういった指標をモニターしながら、皆さんにおいては従来のようなロックダウンとか非常事態宣言とか、そういうものではなくサステナブルな持続可能な政策。コロナとの戦いは長丁場であります。このような政策を取って、もし運悪く感染してしまったら、そのときは強化された医療が全力で国民の皆さんを守りたいと思います。
0:06:14

東京慈恵会医科大学で外科統括責任者を務める大木隆生教授です。
大木教授は、個人の見解としながらも、新型コロナ対策について発想の転換が必要だと提言しました

2020/06/09(火) <WBS>コロナに思う#39 イアン・ブレマー氏 国際政治学者

2020/06/09(火) 23:00
コロナに思う#39 イアン・ブレマー氏 国際政治学者
リレーメッセージ「コロナに思う」今回は、国際政治学者のイアン・ブレマーさんです。世界経済の今後についてブレマーさんはアメリカと中国の対立により急激な変化が起こる可能性を指摘しました。

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コロナ危機は少なくとも3年は続き、経済は10%以上縮小するだろう。最大の懸念はどれほど多くの雇用が失われるか。コロナによる最大の変化は過去10年の問題が急速に進行することだ。経済格差は今後1年半で急拡大し、10年分の変化が1〜2年で起こる。

米中対立も10年かかる変化がこの1~2年で起きるだろう。私が最も心配しているのは米中の対立だ。今は米中の相互依存が薄れ、技術をめぐる”冷戦”が起きている。米中は互いの技術に投資せず、互いに介入を許さない状況だ。米中の溝は深まり、その影響は経済の他の分野にも広がるだろう。

政府は企業の倒産を防ぐため、何兆ドルという資金を投入している。納税者は海外の供給網ではなく、国民のために税金を使えと言うだろう。ナショナリズムやポピュリズムが国際供給網を妨げる原動力になる。

米中間の不信が強まる中で両国で人件費は上昇している。米中にまたがっていた供給網を国内に戻す動きが強まるだろう。米中関係の悪化や破壊的技術供給網の変化が急激に加速する。

10年かけて起きるような変化がわずか1〜2年の間に起きる。それは非常に破壊的なことで世界の地政学を変えるだろう。民主主義や自由市場の有効性や正当性も変えてしまうだろう。世界を緊張が覆うことになる。
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国際政治学者のイアン・ブレマーさんです。世界経済の今後についてブレマーさんはアメリカと中国の対立により急激な変化が起こる可能性を指摘しました。

2020/06/02(火) <WBS>コロナに思う#38 アレッサンドロ・ヴォルタ高校 ドメニコスキラーチェ校長

2020/06/02(火) 23:00
コロナに思う#38 アレッサンドロ・ヴォルタ高校 ドメニコスキラーチェ校長
リレーメッセージ「コロナに思う」。今回は深刻な状況の中、休校中の生徒達に送ったメッセージが反響を呼び、書籍化もされた本の著者、アレッサンドロ・ヴォルタ高校・ドメニコスキラーチェ校長。

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日本の皆さんこんにちは。今ミラノにいます。この後、仕事に行くところです。

古典文学はイタリアに限らず日本でも、歴史がある国であればどこでもそうですが、どの時代でも、いつでも私たちに教えをくれるのが特徴です。彼らの言っていることを生徒たちに伝えたかったのは、危機の時代にも恐怖ばかりを持たないでしっかり足を踏ん張るということです。

私たちはライフスタイルにもっと責任を持たなければならなくなるでしょう。特に自然の資源の消費に関してです。私たちは今まで地球を、しぼり取るだけしぼり取れるレモンのように考えていたのかもしれません。人間が森林を侵略していくことで、さまざまな動物から人間への感染の可能性が増えていきます。

このコロナで信じられないことに、イタリア人がきちんと列に並ぶことができるようになりました。1メートルの距離をおいて並べるようになっています。私たちが覚えた新しい技能です。

今回の経験から私たちはもっと責任のある行動をとれるようにならなければいけません。自然や地球資源の消費、他人に対して、より注意深く責任のある行動をとれるようになると良いと思います。
0:03:10

深刻な状況の中、休校中の生徒達に送ったメッセージが反響を呼び、書籍化もされた本の著者、アレッサンドロ・ヴォルタ高校・ドメニコスキラーチェ校長。

2020/05/29(金) <WBS>コロナに思う#37 行定勲さん

2020/05/29(金) 23:00
コロナに思う#37 行定勲さん
リレーメッセージ、コロナに思う。きょうは映画監督の行定勲さんです。「GO」や「世界の中心で愛を叫ぶ」などで知られる行定監督が映画文化をコロナ後につなぐためのメッセージです。

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映画監督の行定勲です。

今回の新型コロナ感染拡大において、国民の皆様と同様に映画界も経済的な打撃を負い、映画館は存続の危機にひんしています。映画界全体が先の見えない不安に襲われている中、私も新作2本の映画公開が延期になりました。ディレクターを務める「くまもと復興映画祭」も延期になり、正直途方に暮れる日々を過ごしていました。

しかし、ふさぎこんでも仕方がないと奮い立たせ、オンラインで新作の映画を製作しました。タイトルは「きょうのできごと a day in the home」「いまだったら言える気がする」の2作品です。

世の中が失意に落ちているときこそ、映画やエンターテインメントは人々に希望や勇気を与えあければいけないと考えました。コロナ禍の中、どう映画を作っていこうかと考えた中で皆さんも使っているオンライン会議システムを使用し、俳優たちに声をかけ集まってもらって、それぞれが遠隔の中で集って1つの映画が完成しました。脚本から製作、公開まで2週間でたどり着きました。

私たちは芸術やエンターテインメントがやれることを今改めて考えていくときだと思っています。これからもウイルスと向き合いながら、それでも私たちは映画を作り続けようと思っています。そして、再び映画館で観客の皆様と会える日まで私たちは踏ん張り続けます。

また映画館でお会いしましょう。
0:02:47

映画監督の行定勲さんです。「GO」や「世界の中心で愛を叫ぶ」などで知られる行定監督が映画文化をコロナ後につなぐためのメッセージです。

2020/05/27(水) <WBS>コロナに思う#36 松嶋啓介さん

2020/05/27(水) 23:00
コロナに思う#36 松嶋啓介さん
「コロナに思う」、今夜はフランス在住のシェフ松嶋啓介さんです。25歳で南フランスのニースに店を持ち、外国人として史上最年少でミシュランの一つ星を獲得した松嶋さんは今回、新型コロナの影響で休業が続いている東京都内のレストランを近く閉店する決断をしました。

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日本に簡単には移動できないので、日本の店の継続は正直難しい。体の一部でも悪かったら摘出しないといけないから、(閉店は)しょうがないんじゃないんですか、そこは。

フランスでも3軒くらい店をやっているんですけど、この2か月考えていたのは「そもそもなんでこんなに忙しくしていたんだっけ」ということ。自分の心境の変化はうすうす気づいていたんですよ。気づいてたけど実践できなかった。こういう状況になって環境を変えられたので、思っていたことを行動しやすくなった。

家にいることでも不安を感じる人たちがいる。それを少しでも和らげるためにできることは何か。

2000年以降、やっと世界が味の一つとして認識してくれた”うま味”に対して、僕はここ数年ずっと普及活動をやってきた。”うま味”という味を人間が舌の上でキャッチアップし、体の中でもキャッチアップできると心身ともに安らげるし、穏やかになれる。今回のコロナで改めて伝えていくことが重要だと今思っているところです。

オンラインでいろいろなことができることにも気づいた。時間さえ合わせれば料理教室ができるというのはすごい発見。コロナによって”出会い”があったので、そういうことをしながら、今後は今までやってきた”うま味”の普及活動をやりたいと思っています。

情報は外から得ると思っている人が多いと思うけど、インフォメーション(情報)って内側から来るもの。言語化しておく、数値化しておくと自分にとっての教訓になってくるんじゃないか。大きな変化をさせられる部分もあるし、しなきゃいけないところもあるので、どうせなら自らの意思で変わっていく方を選んでいきたい。
0:02:54

フランス在住のシェフ松嶋啓介さんです。25歳で南フランスのニースに店を持ち、外国人として史上最年少でミシュランの一つ星を獲得した松嶋さんは今回、新型コロナの影響で休業が続いている東京都内のレストランを近く閉店する決断をしました。

2020/05/25(月) <WBS>コロナに思う#35 スガシカオさん

2020/05/25(月) 23:00
コロナに思う#35 スガシカオさん
リレーメッセージ「コロナに思う」です。シンガー・ソングライターのスガシカオさんが、作詞・作曲し、全てを自宅で製作して、いま無償で配信している曲があります。そこに秘めた思いを語って下さいました。

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医療従事者の皆さんに感謝とエールを送るというコンセプトで、『あなたへ』という曲を作りました。歌詞にも書きましたけど、自分の父親のこととか、今まで医療関係者の方にしてきていただいたことに感謝するというような歌詞にしたかったんですね。

そういう話を友人の「Mr.Children」の桜井和寿くん、「ポルノグラフィティ」の岡野昭仁くんとかに話していたら、一緒に歌おうとなって。僕が歌っている部分はほぼほぼ実話、僕の体験なので僕自身が歌って。そのほかのメッセージは2人に歌ってもらいました。

今、本当に最前線で対応にあたられている医療従事者の皆さんは、とても音楽なんて聞く時間はないとは思いますので、ぜひ事態が去ってから、ゆっくり聞いていただければいいかなと思っています。

いろんな業態、業種がある中で、多分ライブとかが安全だと思われて再開されるのは、一番最後の方になるんじゃないかなと思っていて。スタッフも、僕らも、ライブハウスも含めて、そういう日が必ず来ると信じて、今をね、頑張って乗り切っていきたいと思っています
0:03:21

シンガー・ソングライターのスガシカオさんが、作詞・作曲し、全てを自宅で製作して、いま無償で配信している曲があります。そこに秘めた思いを語って下さいました。

2020/05/22(金) <WBS>コロナに思う#34 杉本研士さん

2020/05/22(金) 23:00
コロナに思う#34 杉本研士さん
リレーメッセージ「コロナに思う」です。今夜は、精神科医で、関東医療少年院の院長などを務められた杉本研士さんです。新型コロナでストレスが増えている中、杉本さんのブログ「コロナ疲れのみなさんへ」がSNSなどで話題になっています。精神科医の視点からコロナ禍を乗り越える秘訣を語ってくれました。

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私は80歳まで精神科医として働いて、たくさんの喜びや悲しみを見てきました。引退後は野菜を育てたり、野鳥を見たりという日々を楽しんでおりました。そこにこのウイルスとの闘いという非常事態が起きたわけです。私もできるだけのことをしたいと思い、いったん鍬を置いて、ブログに手紙を載せることにしました。

訳の分からないものとの闘いなんですから、おかしくなって当たり前。ストレスや鬱憤は吐き出してもよいのです。本音で話せば、人は本音で返してくれるのです。自分の命をちゃんと守っている、そんな自分を褒めましょう。

SNSというもののお陰で数十万人の方がブログに訪れてくださいました。たくさんの人から「泣きました」「明日からも頑張れます」などという言葉をいただきました。私はなんて多くの人が張り詰めているんだと思ったのです。

そうした中に、コロナのために長年営業していた店を畳まざるを得なくなった方がいました。その方が私のブログを読んで言われるに「でも大丈夫です。コロナも悪いところだけではなかったです。私は今、家族の大切さに気付きました。これまで一緒に過ごせていなかったのです」。

この方はご自身の「よりどころ」に気付かれました。実はこの「気付き」こそコロナと闘う秘訣なのです。自分の中に新しい自分を見つけること、パートナーや子供との間で世界で一つの絆を作れること。ついには「創造の世界」まで手に入れることができたなら、孤独や自己嫌悪から解放されるでしょう。これが「気付き」です。

この国の人々は「私は何々であるべき」という思考パターンで自分を縛り上げがちです。みなさんのこの縛りを解き放ち、「気付き」で「よりどころ」を得たなら世界は変わります。東日本大震災では「絆」がそうだったように、今回のコロナでは「気付き」がキーワードとなるでしょう。

人が人とつながり合い、太陽と土がある限り、今回も勝てます。私が保証します。
0:03:33

精神科医で、関東医療少年院の院長などを務められた杉本研士さんです。新型コロナでストレスが増えている中、杉本さんのブログ「コロナ疲れのみなさんへ」がSNSなどで話題になっています。精神科医の視点からコロナ禍を乗り越える秘訣を語ってくれました。

2020/05/20(水) <WBS>コロナに思う#33 楠木健さん

2020/05/20(水) 23:00
コロナに思う#33 楠木健さん
「コロナに思う」です。今夜は、変わることがない人間の本性を踏まえて独自の仕事論を提唱している 一橋大学教授の楠木健さんです。人間の本質を捉えることで、コロナ時代の社会のあり方も見えてくるといいます。

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私がこういう大きなショックが起きたときに大切だと思っているのは、人間の本性を理解すること。オンライン飲み会をみんながするようになったのも、人間が本性としてそういうものを求めるからだと思うんですね。

ただしポストコロナを考えてみると、個人的にはオンライン飲み会は定着しないと思っています。やっぱり人間の本性として、絶対にサシで会って話さなければいけないことがいっぱいあるわけです。コロナの制約が取れたら、全部が全部オンラインになるということもないと思う。

飲食店であるとか航空業界、宿泊業界は本当に経営が苦しいと思うんです。ただ、こうしたものの多くは人間の本性に根ざした需要です。人間の本性に根差した需要というのは最強の実需でありまして、必ず戻ってくると思うんです。

今回のコロナもこれまでの大きな危機と同じように、喉元過ぎれば熱さ忘れる。結局みんなすっかり忘れてしまうのではないか。ネガティブなことは忘れてしまうのが人間の本性だと思うんです。多くの場合、人間の不幸はコントロールできないことをコントロールしようとするところから生まれている。

世の中が進歩して、いろんな技術も使えるようになって、この21世紀かなり「無痛社会」になってきたのかな。ペインレスということですね。どうしようもないことに対して謙虚であるべきだと思います。

失われていたかもしれない謙虚さを取り戻す。それもまた喉元過ぎればすべて熱さ忘れてしまうのかもしれませんけども、少しの間でも考える機会ではないかと思っています。
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変わることがない人間の本性を踏まえて独自の仕事論を提唱している 一橋大学教授の楠木健さんです。人間の本質を捉えることで、コロナ時代の社会のあり方も見えてくるといいます。

2020/05/18(月) <WBS>コロナに思う#32 YOSHIKIさん

2020/05/18(月) 23:00
コロナに思う#32 YOSHIKIさん
各界で活躍する人によるリレーメッセージ「コロナに思う」です。今夜は、世界で活躍するアーティスト、X JAPANのYOSHIKIさんです。早くからSNSを通じて新型コロナウイルスの感染対策を訴え続け、医療従事者や音楽関係者への寄付活動も行っているYOSHIKIさん。拠点を置くロサンゼルスからのメッセージです。

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YOSHIKIです。

いま世の中はこういう事態になっていますが、ここ数年は世界を飛び回っていました。1週間に1回飛行機に乗らない日はなかった気がします。

ただ、こういう事態を迎えて2月からロサンゼルスにとどまっています。

辛くないと言ったら嘘になりますが、自分が今ここにとどまっていること。それは社会に対して貢献をしているんだと。医療崩壊を防ぐ意味でも。そういったモチベーションをもっていると前向きになれます。

コロナの前と後、僕は時代が変わると思います。僕に限らず、みなさんそう思っていると思います。じゃあどのように変わるのだろう。

音楽業界に僕はいますが、こういう状況を受けてエンターテインメント業界も変わるべき、または変わっていかなければいけないのかなとも思っています。

それがどのように変わるか。まずオプティミスティック(楽観的)、そしてペシミスティック(悲観的)、希望と楽観視、そして最悪の状況を考える。そのどこかに僕らはポジションを持っていかなければいけない。そういうところで僕らはどういう行動を今とるか。

ただエンターテインメントはどの時代にもなくならない。それは衣食住と同じ必要なものである。そこは自信を持って言えると思います。そうした中で 僕らがどのように皆さんをエンターテインすることができるのか。

今後 それをみなさんと一緒に考えていければと思っています。

必ず明るい時代は来ると信じて。今、この時だからこそできる曲を作りたいと思いますし
できることをしたいと思っています。みなさんの健康と安全を心から祈っています。

YOSHIKIでした。
0:03:01

世界で活躍するアーティスト、X JAPANのYOSHIKIさんです。早くからSNSを通じて新型コロナウイルスの感染対策を訴え続け、医療従事者や音楽関係者への寄付活動も行っているYOSHIKIさん。拠点を置くロサンゼルスからのメッセージです。

2020/05/15(金) <WBS>コロナに思う#31 西本智実さん

2020/05/15(金) 23:00
コロナに思う#31 西本智実さん
各界で活躍する人のリレーメッセージ「コロナに思う」です。今夜はバチカン国際音楽祭など世界で活躍する、指揮者の西本智実さんです。西本さんはこれまで30カ国以上で指揮をしてきました。演奏活動がストップする中、音楽家として、いま何を感じているのでしょうか。

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西本智実です。

いま最前線で私たちの命を守ってくださっている皆さんに心から感謝申し上げます。決して一人では生きていけなかったことを改めて感じております。

日々のニュースの中で様々な情報というものが出ていますけれども、やはり専門でなければわからない数字の捉え方というものもあります。例えば、われわれ音楽を専門にしている人間からすると、4分の3拍子というワルツの拍子がありますが、人が聞くと4分の3も8分の9も同じようなワルツに聞こえる可能性もあります。

(私自身)その難しい専門性をもう一つ咀嚼しながら、大切な子どもたちにもわかるような言葉で(社会に)伝えていければと思っています。

この日々、私たちはいろんな意味で大きな分岐点に立たされていると思います。この分岐点の先には、おそらく今までとは異なる新しい秩序、そういったものも生まれてくるかと思います。

新しい一歩を踏み出すときというのは非常に勇気のいることかもしれません。しかし、もう以前に戻ることはできないわけですね。その中で、これからの可能性を今もう一度、それぞれが考えていく瞬間になっているかと思います。

私は音楽を志した人間ですので、音楽をもっていろんな言葉を伝えたい。今、コンサートだけでなく、別の側面から音楽を志した人間として皆さんに伝えられること。そういったものを準備しております。
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バチカン国際音楽祭など世界で活躍する、指揮者の西本智実さんです。西本さんはこれまで30カ国以上で指揮をしてきました。演奏活動がストップする中、音楽家として、いま何を感じているのでしょうか。

2020/05/14(木) <WBS>コロナに思う#30 為末大氏

2020/05/14(木) 23:00
コロナに思う#30 為末大氏
各界で活躍する人のリレーメッセージ「コロナに思う」。今夜は、陸上競技の元オリンピック代表で、現在は企業経営者として活躍する、為末大さんです。先が見通せない今、不安を克服するため自らに「3つのルール」を課したといいます。

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3週間前、何かルールがないとこの状況に耐えられないと思い、自分なりに3つのルールを決めました。

1つ目は未来のことを考えないで、とにかくきょう1日のことだけを考えて生きていく。きょう1日1日を積み重ねて生きていくということを決めました。どうしても未来のことを考えると一喜一憂します。それから期待をしては失望してということを繰り返していましたので、先を考えない。

2つ目は大切なことだけを考えて、それ以外のものは意識をしないと決めました。日常ですとどうしても大事だと思っている、思い込んでいるものはたくさんありますけれど、本当に大事なことはそんなに多くはないと思います。

私にとっては家族と社員や仲間、そしてアスリート、スポーツを愛している人たちが大切なものです。特に今、スポーツ界は試合がなくなり、トレーニングもできない中で、アスリートたちは非常に厳しい状況に置かれています。東京オリンピックも1年延期され、開催されるかどうかも分からない中で、少しでもアスリートの助けになること。彼らの心のサポートができることを心掛けて日々生きています。

3つ目は愛をもって人や社会を見るということを決めました。私自身も余裕がなくなって、どうしてもネガティブな見方や人の悪いところを見てしまいがちになるんですが、日常であれば許せることがこういう状況だと許せなくなってしまいます。一度そういうパターンに入るとずるずるとそちらに思考が回っていくので、自分なりにルールを決めて、とにかく愛をもって社会や人を見る。

いざコロナウイルスの影響がなくなっても、もう1回頑張ろうと思える自分の心がないとなかなか人は立ち上がることができません。ぜひ皆さんには、いろんな大切なことがありますけれど、社会や会社もいろんな大切なことがあるかもしれないですけれど、まず第一に自分の心を大事に扱って、丁寧なメンテナンスしてほしいなと思います。
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陸上競技の元オリンピック代表で、現在は企業経営者として活躍する、為末大さんです。先が見通せない今、不安を克服するため自らに「3つのルール」を課したといいます。

2020/05/13(水) <WBS>コロナに思う#29 野口聡一さん

2020/05/13(水) 23:00
コロナに思う#29 野口聡一さん
リレーメッセージ「コロナに思う」、今夜は、JAXA=宇宙航空研究開発機構の宇宙飛行士、野口聡一さんです。3回目の宇宙飛行を目指し訓練を続ける野口さんが厳しい環境を生き抜く術を語りました。

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JAXA宇宙飛行士の野口聡一です。

私はこれまで2回の宇宙滞在、そしてさまざまな特殊下での滞在訓練、例えば深海、海の底での訓練であったり、洞窟の中での訓練であったり、先日も宇宙に行くクルーと一緒にアメリカの密林の中で1週間過ごすという体験をしてきました。そういう意味でさまざまな閉鎖環境、孤立した環境でいかに生き抜くかという経験をたくさんしてきました。

その中で気づいたことは、まずは日々自分がその日にできることに集中するということです。困難な状況、先が見えない状況になると、どうしても先のことを考えてしまって不安が先に立ってしまう。そうすると体より先に心が参ってしまうという状況がよくあると思います。

もう一つ大事なことは頑張りすぎない。自分にあまり過度の期待をしない。「まだできるはずだ」「もうちょっと頑張ろう」をずっと繰り返していると、やはり体よりも先に心が参ってしまうことがあると思うので、自分ができること、できないことを客観的に分けてしまう。

そして日々、自分の健康に気を配ることです。やはり自分の体をケアできないと、他人のケアはできないと思うので、ちゃんと休息、睡眠をとることと、栄養をちゃんと取る。それを日々繰り返していくことが、この長い長い戦いを乗り切る1つの大事なポイントになるのかなと思います。

私は今年3回目の宇宙飛行を狙うということで、アメリカでみんなと一緒に頑張っています。今回は初めての民間宇宙船での宇宙飛行ということでスペースX社が頑張って開発中の「クルードラゴン」の運用初号機に乗る予定です。

宇宙からまた皆さんに宇宙の素晴らしさ、そして新型宇宙船のいろいろな難しさ、大変さ、そしてこれから先の人類が向かう宇宙についてお話をしていければいいなと思っています。また宇宙から帰還したらお話ししましょう。皆さん一緒に頑張りましょう。
0:03:36

JAXA=宇宙航空研究開発機構の宇宙飛行士、野口聡一さんです。3回目の宇宙飛行を目指し訓練を続ける野口さんが厳しい環境を生き抜く術を語りました。

2020/05/12(火) <WBS>コロナに思う#28 小説家 真山仁氏

2020/05/12(火) 23:00
コロナに思う#28 小説家 真山仁氏
リレーメッセージ「コロナに思う」。今夜は元新聞記者で、企業買収を描いた経済小説、「ハゲタカ」シリーズの作者、真山仁さんです。「現実は小説を超える」と今、実感しているといいます。

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今起きていることを小説家として考えたことがあるかと、多くの人からよく聞かれます。

小説家としてこれは絶対勝てないと思ったことが1つあるんです。多くの場合、ショッキングなことこそ小説の材料だと思っていました。でも今回のコロナは感染しても一気に突然、道端で亡くなるようなことはなくて、じわじわと知らない間に感染が広がっていくところが特徴だと思うんですが、小説だと地味なんですよね。書いても、出版社から「これは再考してください」と言われる。

でも1つだけ言えることは、ウイルスの蔓延に関してはコロナを超える作品は難しいが、ここで右往左往する人たちをちゃんとウォッチし、小説でこういう危機になるとき、なぜ我々はこれだけうろたえるかということは書かなければと今すごく思っています。

もう一つ忘れてはいけないのは、厳しく命令を出して、拘束すれば社会は回るのかと思ってしまうこともあるが、自粛だけで大惨事にならなかったということの意味を考えていかなくてはいけない。

おそらくポストコロナは政治に対して、国家権力をどうやって使うべきなのかという議論がすごくされると思うんです。中にはもっと厳しい法律を作って、戒厳令くらいできるような国になればいいと思っている人もいるかもしれないんですけど、戒厳令を持っている国より日本の現状を見ていると、日本の方が生きやすい社会をキープできていることを覚えておかなくてはいけない。

今すごく多くの人が他人のことを気にしている。「自分がこれだけ我慢しているのに、なぜあの人はあんなに勝手にやっているんだ」と非常に鬱憤をためている人も多いと思うんですけど、それはその人にとって自分の正義からするとおかしいという考え方で、「正しい」は非常に危険な発想だと私は思っています。

あなたが正しいと思ったことはあなたに取って正しいのかもしれないけど、それを人に押し付けて必要以上に相手を傷つけることになったときに、その正しさが悪になってしまうこともある。

正しさということを、何かやろうとするとき、発言するときには、本当にこれはみんなに取って正しいのかをもう1回自問自答してから行動してほしいと思っています。
0:03:12

元新聞記者で、企業買収を描いた経済小説、「ハゲタカ」シリーズの作者、真山仁さんです。「現実は小説を超える」と今、実感しているといいます。

2020/05/11(月) <WBS>コロナに思う#27 原田マハさん

2020/05/11(月) 23:00
コロナに思う#27 原田マハさん
リレーメッセージ「コロナに思う」です。今夜は、無名だった頃のゴッホを描いた「たゆたえども沈まず」などアートに関する著作の多い、小説家の原田マハさんです。フランスでロックダウンを経験したという原田さんが、ある作品を見て抱いた強い思いを語りました。

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2月28日、ロックダウンの2週間前にふと思い立ってルーブル美術館に行きました。10年前に訪れたとき、偶然見つけたルーブル最古の収蔵品6000年前のメソポタミア時代の壺、その壺に呼ばれるように見に行きました。

おおらかな形でシンプルな模様がついています。当時はアート作品や美術家などという概念はなかったでしょう。それでも、この壺をいいねと思う誰かがいて、以後6000年という気の遠くなるような時の中、この壺は守られ伝えられ、今ここで私たちの目の前にいる。

私は壺を見つめながら、この壺が今に伝わる奇跡を見て、感動が沸々と湧き上がってきました。

世界中でロックダウンが実行され、日本でも緊急事態宣言の状態が続いています。医療崩壊を避け、人命を救うために不自由な状態を続けている人が世界中に何億人と存在しています。その人々全ての心に寄り添っているのが芸術文化、アートであると思います。

どこへも出かけられない中で、私たちは音楽を聞き、画集をめくり、物語を読み、映画を楽しみ、芝居やコンサートやダンスの動画を見て、バーチャル美術館の展示を体験しています。

これら芸術文化の存在に私たちがどれほど助けられているか、想像してみてください。音楽や映画や本、アートのない生活を私たちは楽しく送ることができるでしょうか。

芸術文化は決して「不要不急」のものではなく、私たちが人間らしい感性と暮らしを維持するために、今だからこそ必要なものなのです。

活動を休止せざるを得ない芸術文化関係者は、今はじっと耐えてもう一度皆さんへ最高の芸術を届ける日が来るまで、力をためています。私たちの生命維持に必要な存在である彼ら、彼女らのために、政府が積極的な支援をすぐに行うことを期待しています。

私たち人類は何万年もの間、アートを忘れたことは一度たりともありません。アートは人間の証明であり、人間の強さの証です。このコロナ危機を乗り越えて、私たちはきっとアートを次の世代に伝えていく。そう信じています。

一緒に守り抜きましょう。
0:03:42

無名だった頃のゴッホを描いた「たゆたえども沈まず」などアートに関する著作の多い、小説家の原田マハさんです。フランスでロックダウンを経験したという原田さんが、ある作品を見て抱いた強い思いを語りました。

2020/05/08(金) <WBS>コロナに思う#26 アラン・グリザードさん

2020/05/08(金) 23:00
コロナに思う#26 アラン・グリザードさん
リレーメッセージ「コロナに思う」。今夜は、多くの死者が出ているニューヨークの医療現場で患者の治療に当たった、看護師のアラン・グリザードさんです。感染爆発のピークを迎えた先月上旬、他の州から応援に入りました。勤務した3週間、グリザードさんが身を置いたのは医療器具が床に散乱し、亡くなった患者の遺体が並ぶ壮絶な現場でした。

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60床ある救急病棟に常に150人ほど患者がいて、9割は新型コロナウイルスの感染者でした。人間がどれだけちっぽけで無力な存在か、この状況で思い知らされました。

アメリカ人であるとか日本人であるとか、イタリア人であるとか、今はもう関係ないのです。私たち人類は今、脅かされています。みんなが協力しなければいけないときです。

何十人も亡くなる患者の手を取りました。独りで亡くなってほしくなかったのです。新型コロナウイルスは無差別に人の尊厳を奪い尽くす。尊厳を少しでも守りたかったのです。

亡くなると思わなかった患者の死を何度も目の当たりにしました。状況が改善し始めたころ、私の(ニューヨーク勤務の)最終日前日の1日で9人の患者が亡くなりました。全員45歳以下でした。これは特定の人や病院、国だけの問題ではなく世界的な問題だと痛感しました。

日本のみなさんにはこの状況を知って準備をしてほしいと思います。私が経験したことをみなさんには経験してほしくありません。アメリカは、イタリアのような状況を回避できたはずなのです。しかし行動が遅すぎたために、こんな状況になってしまいました。

新型コロナとの闘いに最も有効なことは「ソーシャル・ディスタンス」を取ることです。企業は政府の指示に従いながら、仕事を遂行すべきだと思います。ソーシャル・ディスタンスを取れる環境を作ってください。製造業ならスタッフの作業場を離してください。

世界のみんなが今、同じ状況で安全な場所はありません。しかし油断せず行動し続けることで必ず乗り越えることができます。
0:03:55

多くの死者が出ているニューヨークの医療現場で患者の治療に当たった、看護師のアラン・グリザードさんです。感染爆発のピークを迎えた先月上旬、他の州から応援に入りました。勤務した3週間、グリザードさんが身を置いたのは医療器具が床に散乱し、亡くなった患者の遺体が並ぶ壮絶な現場でした。

2020/05/07(木) <WBS>コロナに思う#25 坂東眞理子氏 評論家

2020/05/07(木) 23:00
コロナに思う#25 坂東眞理子氏 評論家
各界で活躍する人のリレーメッセージ「コロナに思う」。きょうは、ベストセラーとなった「女性の品格」の著者で昭和女子大の理事長でもある坂東眞理子さんからのメッセージです。新型コロナウイルスの危機を無駄にしないことの大切さとは。

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Never waste a good crisis.(せっかくの危機を無駄にするな)

私は新型コロナウイルス感染によって引き起こされた事態で、学生たちにそう呼びかけています。

人生は想定外のことの連続です。思った通り、計画通りに物事は進みません。そのときにどう危機を活用するか。それが大事なのです。

せっかくできた在宅の時間を、ぜひ有効に活用してください。読めなかった本を読む。後でしようと思っていた整理をする。なかなか時間がかかるから大変だなと思っていた語学の勉強を始める。ぜひそのように時間を活用してください。

学生だけではなく、大学にとってもとても良い「good crisis」だと思っています。4月24日から昭和女子大学ではオンライン授業を始めました。付属小学校、中高も学習支援をオンラインで始めました。オンライン授業をしなければいけない、活用しなければいけないと思っていても、なかなか踏み切れなかったことが、この危機によって否応なしに実行しなければならなくなってきました。ぜひ、このチャンスを生かしていきたいと思います。

また、これは個人や大学にとってだけではなしに、日本全体にとっても一つのチャンスなのではないかと思います。

これによって働き方改革が現実のものとなりました。たくさんの人たちが在宅勤務を経験しています。それによって地方に住んで東京の仕事をするということが可能になりました。これは地方の方々にとっては、地方に住む人、地方に住んでビジネスをする人を増やす大きなチャンスなのではないかなと思います。

ぜひせっかくのチャンスを、みんなで生かしていきましょう。

Never waste a good crisis.
0:03:24

ベストセラーとなった「女性の品格」の著者で昭和女子大の理事長でもある坂東眞理子さんからのメッセージです。新型コロナウイルスの危機を無駄にしないことの大切さとは。

2020/05/06(水) <WBS>コロナに思う#24 辻井伸行さん

2020/05/05(火) <WBS>コロナに思う#23 平原綾香さん

2020/05/05(火) 23:00
コロナに思う#23 平原綾香さん
各界で活躍する人のリレーメッセージ、コロナに思う。きょうは、2015年にWBSのエンディング曲『Don't give it up』を担当してくださった歌手の平原綾香さんです。この曲の歌詞にもあるあきらめずに頑張ることの大切さを語ってくれました。

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皆さんこんにちは、平原綾香です。

いまの歌は「Don’t Give It Up」という曲で、ワールドビジネスサテライトのエンディングテーマソングとして2015年に作詞と作曲をさせていただきました。

大切な人のために何ができるか。日々考えながら、1日1日を大切に生きています。それは私の中の小さな世界の出来事です。ですけど、その小さな世界の中で人のために生きること、人のために行動することは必ず大きな世界を動かします。この曲の歌詞のように、その日が来るまであきらめずに頑張りたいなと思っています。

日々大変な思いをされている方々がたくさんいらっしゃいます。見えない不安というか、これからどうなってしまうんだろうということもたくさんあると思いますが、みんな不安なのは一緒なので、ぜひお互い優しく接して、みんなで打ち勝っていけたらいいなと思っています。

音楽や歌とかいろいろなもので、気分が少しでも晴れることを祈っております。みんなで乗り越えましょう。
0:03:00

2015年にWBSのエンディング曲『Don't give it up』を担当してくださった歌手の平原綾香さんです。この曲の歌詞にもあるあきらめずに頑張ることの大切さを語ってくれました。

2020/05/04(月) <WBS>コロナに思う#22 河瀬直美さん

2020/05/04(月) 23:00
コロナに思う#22 河瀬直美さん
各界で活躍する人のリレーメッセージ、「コロナに思う」。きょうは、カンヌ映画祭でグランプリを受賞するなど世界的な映画監督で、東京オリンピックでは公式映画監督も努める河瀬直美さんです。表現者として、今の状況をどう見つめているのでしょうか。

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映画監督の河瀬直美です。暮らしている奈良でこの映像を収録しています。

全世界で小さなウイルスが人類を苦しめています。遭遇したことのない、この新しいウイルスへの対応を私たちは経験していません。経済を伴った社会生活をしている私たちは今、とても厳しい状況に置かれていると思います。

こんな生活をしなければいけないこと。だからどうか心だけは病むことがないように、1人1人の人々の平穏な生活、時間が一日も早く訪れますように。

今はみんなが少しずつ我慢して、いっぱい我慢しなければいけない立場の人たちの身になって何をすればいいのか考えていく。弱い人を、弱い立場の人を救い、考えられる社会でありたい。国民一人一人の行動に委ねられて、この難局を一丸となって乗り越えることを託されているんだと思います。

私が今できること。それは自分の大切な人の命を守るために、自らの行動を制限することです。そして、一刻も早い収束のために世界を変えていくこと。その小さな行いが世界を変えていくことにつながるんだと思っています。

人に当たらないこと。辛い言葉を浴びせないこと。優しさを心に宿すこと。コロナは必ず収束します。そのときに今のこの経験を学びに変えて、知識として私たちに宿す。

アーティストとしての私は、深く深く今の現実を見つめて、それを掘り下げて、私の中に刻み、表現していきたいと思っています。そしてあらゆる分野の人たちが、自ら得たその経験をもって、それぞれの分野で社会に花開いていく未来を願っています。

皆さん頑張りましょう。
0:03:23

カンヌ映画祭でグランプリを受賞するなど世界的な映画監督で、東京オリンピックでは公式映画監督も努める河瀬直美さんです。表現者として、今の状況をどう見つめているのでしょうか。

2020/05/01(金) <WBS>コロナに思う#21 三遊亭円楽さん

2020/05/01(金) 23:00
コロナに思う#21 三遊亭円楽さん
リレーメッセージ、「コロナに思う」は落語家の三遊亭円楽さんです。肺ガン、そして去年には脳腫瘍を乗り越えた円楽さんが今、肌で感じている思いを語ってくれました。

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三遊亭圓楽でございます。

皆さんいろんなところで、いろんなご苦労をなさっていると思います。私も落語家になって50年、こんなに長く休んだのは初めてです。

今、何をしているかと申しますと我慢ですよ。ひたすら腹を立てないこと。

周りを見ていてもイライラしますし、家の中でも普段と違う非日常がございますので、ついイラッとすることがあると思います。あるいはちょっと買い物に行っても、なんだか家族連れがごちゃごちゃしていたりなんかしてイラつくこともあると思います。

いろんな場面でイラつきますけど、まずそこ。イライラしない心、優しい心を持ちましょう。日本人らしさ、落語にある優しさ、そんなものを思い出していただきたいと思います。

町内であり、大家さんであり、店子であり、いろんな方がみんなで助けた。自助、共助、公助、この順をゆっくりと待ちたちと思います。

先日、家の中の片付けをやってみました。まあ、とにかくいらないものがありますし、ごみを出しに行きましたけど、普段よりもごみ置き場にごみが多いんですね。皆さんやってらっしゃる。

そんなときに、収集の皆様、本当にこんなときにごみ出してごめんさない。大変なご苦労だと思います。そういうふうにみんながつながっているところでもって、感謝の気持ちがあればいいと思います。報恩感謝、この状況にも優しい心でもって何かできることをやっていきましょう。

われわれのできることは落語しかないんです。だから出番はまだまだ先になると思います。皆さんが落ち着いて、娯楽が欲しい、笑いが欲しい、そのときにもう十分ためたエネルギーをぶつけて参ります。

安政の大地震の後、なんと1年後には江戸御府内に寄席の数が1500、今までの10倍20倍、それこそ100倍近く増えたそうです。みんな落ち着けば娯楽が欲しくなります。今は娯楽ではなく、みんな日本人が一つになって、頑張って、この世界のパンデミィックを乗り越えていきましょう。

まず自分から、できることからやっていきましょう。そんな気持ちでとりあえず自宅で療養しています。
0:03:30

落語家の三遊亭円楽さんです。肺ガン、そして去年には脳腫瘍を乗り越えた円楽さんが今、肌で感じている思いを語ってくれました。

2020/04/30(木) <WBS>コロナに思う#20出口治明氏 立命館アジア太平洋大学

2020/04/30(木) 23:00
コロナに思う#20出口治明氏 立命館アジア太平洋大学
各界で活躍する人のリレーメッセージコロナに思う。今夜は、ネット専業の「ライフネット生命」の創業者で、現在は、立命館アジア太平洋大学の学長を務める出口治明さんです。“無類の読書家”として知られ、歴史への造詣が深い出口さんが語る、コロナ終息後の「新しい世界」とはー。

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新型コロナウイルスで世界中が苦しんでいます。今、人類がコロナから突きつけられている課題は3つだと思います。

ウイルスは人を介して伝わりますから、命と安全を守るための「ステイホーム」が第一の課題。

「ステイホーム」をサポートする医療従事者やスーパーで働く皆さん、あるいは市役所の皆さん等のエッセンシャルワーカーです。この人々にどのように感謝し、サポートするか。これが第二の課題。

「ステイホーム」は収入減を意味しますので、特に社会的弱者に対してどのように緊急の再分配政策が設計できるかが第三の課題。この3つの課題を全世界のリーダーが競っています。

ニューノーマルと呼ばれているコロナ後の世界では、政治に対する意識も高まり、投票率が上がると思います。皆さんが指摘しているようにテレワークやオンライン授業が全世界で取り組まれています。ペストがルネサンスを生んだように、コロナウイルスはITリテラシーを高め、政治に対する関心を高め、きっと新しい世界を招来すると信じています。

今、人類はウイルスに試されています。何を試されているか。それはグローバルな信頼と連帯を試されているのだと思います。みんなで知恵を出し合って乗り切りましょう。
0:03:33

ネット専業の「ライフネット生命」の創業者で、現在は、立命館アジア太平洋大学の学長を務める出口治明さんです。“無類の読書家”として知られ、歴史への造詣が深い出口さんが語る、コロナ終息後の「新しい世界」とはー。

2020/04/29(水) <WBS>コロナに思う#19 若田光一さん

2020/04/29(水) 23:00
コロナに思う#19 若田光一さん
各界で活躍する人のリレーメッセージ「コロナに思う」。今回はJAXA=宇宙航空研究開発機構の宇宙飛行士、若田光一さんです。宇宙の閉鎖空間で過ごす経験を重ねてきた若田さんからのメッセージです。

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新型コロナウイルスの感染が広がる中で、私たちの命を守ってくださっている多くの方々。特に医療の現場で強い使命感を持って尽力なさっている皆さんに心から感謝します。

2014年の宇宙飛行では188日間、閉鎖環境の国際宇宙ステーションISSの中で長期滞在を行いました。これまで宇宙飛行に向けた訓練中にスペースシャトルの事故で打ち上げが2年以上中断したり、ISSにいたときも貨物機の打ち上げが遅れて、到着がいつになるか分からなくなったりと、先が見えない状況で仕事を続けなければいけないことが何度もありました。

新型コロナの影響で家で過ごすことが増えてきていますが、宇宙の閉鎖空間に半年間滞在したときの経験から大切だと思うことは、これまでの普段の生活からリズムが変わらないように、平日は日課を決め、スケジュールをしっかり立てて過ごすことがまず挙げられます。

毎日の日課に運動の時間を短くても入れておくこと。睡眠時間もこれまで通りにしっかり取ることが体と心の健康に重要です。

精神的にリラックスできることを見つけて実践することも大切です。私の場合、宇宙では運動したり、家族と電話で会話したり、仲間と一緒に映画を見ることなどがリラックスするためにとても役に立ちました。辛いなと思いながらも、工夫しながら、前に進もうと努力しているときが、一番成長しているときだということを忘れないでください。

行動で迷ったら「今なぜ、このことに取り組んでいるのか」「なぜ外出自粛をしているのか」という根本の理由に立ち返って、今自分が取り組むべきことを再認識することが大切です。

そして、どんなときもユーモアを忘れずに生活していきましょう。ユーモアはみんなの気持ちをリラックスさせ、ものごとを前進させてくれる原動力です。

感染を防ぐために一人一人が今できること、しなければならないことをしっかり考え、行動し、ワンチームで一緒に乗り切っていきましょう。
0:03:28

JAXA=宇宙航空研究開発機構の宇宙飛行士、若田光一さんです。宇宙の閉鎖空間で過ごす経験を重ねてきた若田さんからのメッセージです。

2020/04/28(火) <WBS>コロナに思う#18 海部陽介さん 国立科学博物館

2020/04/28(火) 23:00
コロナに思う#18 海部陽介さん 国立科学博物館
各界で活躍する人によるリレーメッセージ「コロナに思う」。今夜は、人類進化学者で『3万年前の航海を再現するプロジェクト』などを手がけた、国立科学博物館の海部陽介さんです。人類はウイルスに勝てるのかそのためのヒントはたくさんあるといいます。

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「戦いに勝つにはまず敵を知り、そして己を知りなさい」という孫子の教えがあります。そこでウイルスと人間の両方について考えてみました。

新型コロナウイルスはわずか3か月で地球全体に広がりました。アフリカで進化した人類が世界に広がるのに5万年かかったことを考えると、これは驚異的です。ウイルスの側からすれば、病原菌の歴史に残る大成功と言えるでしょう。

しかしウイルスは自分では動けません。誰がその成功に手を貸したかと言えば、それは私たち人間であるわけです。

人間は何万年も前から移動を繰り返して、社会を発展させてきました。新型コロナウイルスはその行動パターンにうまく乗りました。つまり私たちはウイルスに利用されているのです。

では、それぞれの弱点は何でしょう? ウイルスは全ての個体が同じように振る舞うクローン軍団です。ですから私たちは研究して、相手の行動を読み、ソーシャル・ディスタンシングや手洗いなど感染予防対策をマニュアル化できます。

一方で、ウイルスは意思を持たない機械のような存在ですから、疲れたり手加減することはありません。対する私たちは状況を理解し、行動を変える決意をし、その気持ちを持続しないと対策を徹底できません。

どうしたらそれができるのか。ヒントはたくさんあると思います。日々のニュースを見ると、最前線の現場で奮闘するたくさんの人たちがいることを知り、自分もできることをやろうと勇気づけられます。今は世界中の人々が同じ敵と戦っているので、情報を共有し、互いに学び合うこともできます。

新型コロナウイルスは人間の気持ちという弱みに付け込む非常に厄介な敵です。ですが希望があることを忘れず、やるべきことをやり続けることが明るい未来の近道であると信じています。
0:03:16

人類進化学者で『3万年前の航海を再現するプロジェクト』などを手がけた、国立科学博物館の海部陽介さんです。人類はウイルスに勝てるのかそのためのヒントはたくさんあるといいます。

2020/04/27(月) <WBS>コロナに思う♯17 サヘル・ローズさん

2020/04/27(月) 23:00
コロナに思う♯17 サヘル・ローズさん
各界で活躍する人によるリレーメッセージ「コロナに思う」。今夜は予定を変更して、イラン出身で、難民の支援に取り組んでいる女優サヘル・ローズさんからのメッセージです。外出の自粛が続く今、この時間をどう活かすかが大切だとローズさんは考えています。

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イラン出身のサヘル・ローズです。今どう過ごされていますか。私はほぼ毎日、母と一緒にお家で過ごしています。もしくはガーデニングをしたりとか一緒に料理をしたりとか、
普段、お母さんとお話ができない歴史の話とか、なにか前以上に母親と今は会話することが多くなったと思っています。

不安な気持ちは変わらないです。同時にコロナが憎いです。何が憎いかというと、まず多くの人の命を奪っていること。例えば難民キャンプの子たちもそうですが、バングラデシュも路上生活されてらっしゃる貧しい国の方々にとっては、とても脅威になっていると思います。

ウイルスだけが問題ではなく、これから先、それから発展して餓死だったりとか食料不足だったりという様々な問題が、この後たくさん多くの国々に降りかかんだろうなということを予想しながら、いま自分に何ができるのかと日々本当に模索しています。自分なりに動画を配信したりとか、これから絵本の読み聞かせができたりしたらいいなだとか、自分は、何ができるのだろうときっと多くの人が今考えていると思います。

今回、コロナは人を離したようで、ですがそれ以上に人の心を近づけた、そんな風に思うのですね。この出来事があったことで、外国にいる多くの友人にやっぱり元気なのかと久々に連絡をしてみたりとか、同時に、なんか無力じゃないんだなと、存在することで仲間たちの心を支えることもできたりしているし、1人1人にできることはきっとあって、この時間をどういう風に使うかは本当に人それぞれだと思います。

同時に、今、頑張ってくださっている多くの方々、医療関係者、そしてコンビニもそうですし、配達をしてくれて私たちがスーパーで物を買えている。多くの人たちが外で働かなくてはいけない、怖いと感じながらも、その方々のことを忘れてはいけないですし、そしてすべてが終わったときにはちゃんとみんな会ってハグがしたいです。

今はもうハグができないこと、人と触れられないことが、こんなにしんどいのだということを痛感しています。早くみんなと抱きしめあってハグをして、元の生活からそれ以上新しい生活を皆さんと一緒に始めたいと思っています。
0:03:38

イラン出身で、難民の支援に取り組んでいる女優サヘル・ローズさんからのメッセージです。外出の自粛が続く今、この時間をどう活かすかが大切だとローズさんは考えています。

2020/04/24(金) <WBS>コロナに思う♯16 ジャレド・ダイアモンドさん

2020/04/24(金) 23:00
コロナに思う♯16 ジャレド・ダイアモンドさん
各界で活躍する人によるリレーメッセージ「コロナに思う」。今夜は、ペストや天然痘などの病原菌が人類の歴史を左右してきたことを解き明かした世界的ベストセラー「銃・病原菌・鉄」の著者、ジャレド・ダイアモンドさんです。新型コロナウイルスの感染拡大は私たち人類全体に歴史上、初めての試練を突きつけていると警鐘を鳴らしました。

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ジャレッド・ダイアモンドです。
カリフォルニア州ロサンゼルスに住んでいます。

新型コロナウイルスの特徴は「世界全体の問題」だということです。人類全体にはっきり影響を与えるような問題は世界の歴史で初めてのことなのです。
世界全体の問題ですから各国単独では解決しようとしてもできません。
例えばアメリカが単独で問題を解決したとしても、他の国から感染者が入り込み再び広がるだけです。
世界全体が「世界的問題」と認識して解決にあたらなければなりません。
もし世界がこの問題の解決へ協力できれば、例えば気候変動問題でも協力できると思います。
私たちはこれまで気候変動や資源問題で協力しようとしてきませんでした。
今後1年、世界が問題解決へ本当に協力できれば、今回の悲劇は長期的に見れば幸福な結果をもたらすかもしれません。

私の妻には日本人の親戚がいますし、私も日本をよく訪れます。去年12月にも行きました。
日本の皆さんにメッセージがあります。
日本はうまく対処している他の国に学ぶべきです。
オーストラリアはうまくやっています。経済規模がとても小さいベトナムも。
ベトナムは2003年のSARS流行で大打撃を受けたので、今回はすぐに感染者を隔離しました。
ベトナムでは感染した人は全員施設に入れられます。本人だけでなく家族も隔離されます。 これにより感染者や死者の数が比較的少ないのです。
またオーストラリアでは飛行機での入国を禁止しました。さらに他の州や都市への移動を制限しています。
ベトナムやオーストラリアでの成功体験を参考にしていただきたいと思います。
0:04:11

ペストや天然痘などの病原菌が人類の歴史を左右してきたことを解き明かした世界的ベストセラー「銃・病原菌・鉄」の著者、ジャレド・ダイアモンドさんです。新型コロナウイルスの感染拡大は私たち人類全体に歴史上、初めての試練を突きつけていると警鐘を鳴らしました。

2020/04/23(木) <WBS>コロナに思う♯15 隈研吾氏 建築家

2020/04/23(木) 23:00
コロナに思う#15 隈研吾氏 建築家
各界で活躍する人によるリレーメッセージ「コロナに思う」。今夜は東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の設計を手掛けた建築家の隈研吾さんです。新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにこれまで大都市に集まろうとしてきた私たちの生活が大きく変わるといいます。

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建築家の隈研吾です。今回の新型コロナウイルスを受けて、われわれはどんな建築、都市をつくっていけばいいのでしょうか。

今までペストなどさまざまな疫病によって、人間は都市のつくり方を大きく変えてきました。今回のコロナウイルスはわれわれに「箱からの解放」「室内からの解放」を求めているような気がします。

20世紀の建築というのは、人間を大きな箱に閉じ込めることでした。大きな箱の中に閉じ込めて仕事をさせ、そこへ電車という箱に乗って通わせる。それが20世紀の働き方であり、建築、都市のつくり方でした。そのような大きな箱に閉じ込められて、人間がいかに不自由であったか。それを今回のコロナウイルスがわれわれに教えてくれたと思います。

実は人間は今回テレワークして分かったように、1人でも仕事ができるし、自由に自分の選んだ場所で仕事ができる。自由に選んだ距離でコミュニケーションができる。そういう技術をすでに身に付けています。しかし、依然として都市、建築は大きな箱の中に人間を閉じ込め、大きな箱の中に空調をして、人間をその中でコントロールしてきたわけです。われわれはもっと自由になるべきだと思います。

そして室内にこだわりすぎた。これが20世紀の問題だと思います。人間はこの気持ちの良い自然の中に、もっと出ていくべきです。もっと自然と一体となって働き、住むことができるわけです。

そのような形で自然と近づいて、もう一度健康を取り戻し、もう一度自由を取り戻す。それがコロナウイルスの最大の教訓だと思います。
0:03:08

東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の設計を手掛けた建築家の隈研吾さんです。新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにこれまで大都市に集まろうとしてきた私たちの生活が大きく変わるといいます。

2020/04/22(水) <WBS>コロナに思う♯14 田中耕一 02年ノーベル化学賞 島津製作所

2020/04/22(水) 23:00
コロナに思う♯14 田中耕一 02年ノーベル化学賞 島津製作所
各界で活躍する人によるリレーメッセージ「コロナに思う」。今夜は、ノーベル化学賞を受賞した分析技術を使って、アルツハイマー病の原因とされるたんぱく質の検出に成功した島津製作所の田中耕一さんです。今こそ日本が世界に貢献できると言います。

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島津製作所の田中耕一です。感染症と対峙している今とその後に関し、科学技術に携わる一人として皆さんにお伝えしたいことがあります。

2016年11月、北九州市小倉で世界中医師会-世界医師会が開催されました。テーマは「One Health」(ワンヘルス)。人も動物も健康に、人獣共通感染症を防ぐため、世界が協力しようと解釈できます。それ以前も以降も世界でさまざまな進展があり、対策がなされてきました。しかし、今回の新型コロナウイルスの猛威に対しては不十分でした。2016年に基調講演を行わせていただいた自分として、これまで何をしてきたか考えさせられます。

この数か月、感染を抑えるために今まで当たり前のように行っていたことで、できなくなったことがたくさんあります。しかし今だからこそ、今まで考えてもいなかったようなことができている。そんな面もあります。

その一つが異分野融合、異業種連携です。医療・創薬に無関係と思われていた企業や大学、個人が交流し、次々に成果や製品が発表されています。イノベーションの芽が育っています。

技術革新と翻訳されている「イノベーション」は経済学者のシュンペーターらによって作られた言葉。その当初の定義は「新結合」「新しい捉え方・活用法」です。今までなかった組み合わせや捉え方をする。そんなたやすく行えることでも、たくさんのイノベーションが生まれてきました。

エイズやがんはイノベーションによりかなり克服できましたが、さまざまな感染症による世界への悪影響はこれからも増えると考えられています。感染症は大きな課題です。それに限らず、日本には少子高齢化のようないくつもの課題がある”課題先進国”とも言われています。

しかし、日本はこれまで公害、交通渋滞など多くの課題を率先して解決してきた”課題解決先進国”でもあります。現在も目の前の課題を解決するため、多くの方々が知恵を出し合い、努力を重ねられています。大いに自信を持って良い点の一つだと思います。

それら課題を解決するみなさんの知恵、工夫はこれからの日本だけでなく、世界にも貢献できると思います。私自身も頑張ります。
0:03:41

ノーベル化学賞を受賞した分析技術を使って、アルツハイマー病の原因とされるたんぱく質の検出に成功した島津製作所の田中耕一さんです。今こそ日本が世界に貢献できると言います

2020/04/21(火) <WBS>コロナに思う♯13 星野佳路氏 星野リゾート代表

2020/04/21(火) 23:00
コロナに思う#13 星野佳路氏 星野リゾート代表
今夜のリレーメッセージ「コロナに思う」は、苦境の観光業界から星野リゾート代表の星野佳路さんです。収束した後を見据えて、いま新たな観光のあり方を模索しているといいます。

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星野リゾート代表の星野佳路です。今、観光には色々な面で逆風が吹いていまして、私たちはその真っただ中にいます。日本の観光がこれからどうやって生き延びていけばいいのか、私たちの企業も含めて必死の努力を続けています。

1年、1年半かけて需要が戻ってくるかもしれませんが、その時に今の需要のあり方はもしかすると大きく変わっているかもしれない。収束に近づくにつれて、ある日突然需要が戻るわけではなくて、だんだんと戻ってくるということを私は想定しています。ここ10年話題になって成長してきたインバウンドは、おそらく戻りは最後の最後になるだろうというのが私の感触です。

そこで提案なのですけれども、私は「マイクロツーリズム」ということを実践したいと思っています。地元・地域を観光してみようということなのですね。自分の家から10分、15分、30分、1時間の範囲を観光してみよう。そこを、私たち観光事業者もまず収束後に需要が戻ってくる時に狙ってみたらどうかという提案です。

メリットはいくつかありまして、一つは今までも「マイクロツーリズム」、15分、30分、1時間圏内のお客様は、そこそこいらっしゃったので、需要がしっかりとあるということが一つ。もう一つは、県をまたいでとか、すごく長距離を旅行するわけではないので拡散につながらないということが、二つ目。私たちの大事な観光人材の雇用を維持できる。そこが三つ目です。そして最後、四つ目。これはですね、今まで私たちは首都圏・大阪圏、そしてインバウンド、中国・ヨーロッパ・アメリカ、すごく遠いところを一生懸命ターゲットにしてきたのですけれども、この機会にですね、地元・地域の方々にもう一度地元・地域の魅力を再発見していただく、これはすごく大事だと思っているのですね。地域の魅力を知っていただかないことには、実は観光は強くならない。

なので、今回新型コロナウイルスで私たち、大変なダメージを受けているわけですけれども、転んでもただでは起きない。日本の観光が復活する時には、地域の人たちが地域の魅力を知っていることは、私は世界に対して、日本の観光の強さをアピールできる、すごく大きな力になると思っています。

新型コロナウイルス前よりもパワフルな観光にしていきたい。そういう風に努力していきたいと思っています。
0:03:15

苦境の観光業界から星野リゾート代表の星野佳路さんです。収束した後を見据えて、いま新たな観光のあり方を模索しているといいます。

2020/04/20(月) <WBS>コロナに思う♯12 綾戸智恵 ジャズシンガー

2020/04/20(月) 23:00
コロナに思う♯12 綾戸智恵 ジャズシンガー
各界で活躍する人によるリレーメッセージ「コロナに思う」今夜はジャズシンガーの綾戸智恵さんです。綾戸さんがいま大切にしているのは、自分の行動次第で何が起こりうるかを考える「想像力」だといいます。

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まいど。綾戸智恵です。テレビを見ますと「パンデミック」に「ロックダウン」「オーバーシュート」に「クラスター」。私は英語の歌を歌っているのですが、この4つとも難しいです。

この前、緊急事態宣言があったとき、国のリーダー、それから知事、そして専門家の人々が「なるべく外出しないで家にいてください。協力してください。」とおっしゃいました。この言葉を、国民一人一人が実行することによって、結果は出ると思います。私たちが協力しなければ、専門家の「おっちゃん」の口から出た、ただのワードになってしまいます。言葉はピューっと羽で飛んでいってしまいます。

みなさんが「遊びに行きたい!」という欲望に駆られた時、私は「想像力」を使うといいと思います。これは音楽とか、絵を描いたりする時に使う「創造力」ではなく、危機管理をするための「想像力」ですね。遊びたいな、会いたいな、パーティーしました、楽しかった、そのあと誰かが熱を出します。これで感染したことがわかります。あんなパーティーしなければよかった、もうちょっと待てば良かった、後悔だけでは終わらぬ、大きな人生の後悔になります。

「生きる」という価値観が、今回、私はコロナで変わりましたね。今まではどちらかというと、複雑なことを考えて「あーなって、こうなって」「あーやって、こうやって」。ところが今、母から渡された人生のバトン、これをしっかり次の世代に渡す、これができたら、もう最高じゃないかと思います。つなげていく、歴史をつなぐ一人になりたいなと思います。

家にいる間、みなさんは何をしていますか?私は、隣の蕎麦屋に負けないだし巻きを作ろうと、毎日練習しています。そしてパックもするようになりました。そして睡眠もたくさんとるようになりました。ツアー中、もう家に帰りたかった私が、今家にずっといてツアーに行きたい、という気持ちになっています。わがままですね、私は。でも、その時できなかったDVDをたくさん見るという欲求を今一生懸命、今日はこれから(DVDの中で)ジョン・ウィックに会いにいきます。

コンサートでまた、みなさんにお会いしたいと思います。
0:03:22

ジャズシンガーの綾戸智恵さんです。綾戸さんがいま大切にしているのは、自分の行動次第で何が起こりうるかを考える「想像力」だといいます。

2020/04/17(金) <WBS>コロナに思う♯11 天野浩 名古屋大学教授

2020/04/17(金) 23:00
コロナに思う♯11 天野浩 名古屋大学教授
各界で活躍する人によるリレーメッセージ「コロナに思う」です。今夜は青色発光ダイオードの研究で2014年のノーベル物理学賞を受賞した名古屋大学の天野浩教授からの提言です。

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大学人としての思いを述べさせていただきます。まず今回の件で理解したことは、最も効果的な方法は感染経路を完全に絶つということです。これを世界中の人々が共有できたことは非常に重要だったと思います。それからワクチン、これができれば治療が一気に進むであろうと期待と希望を持てる、これも非常に重要なことです。これらは医療に携わる方々の努力によるものです。

私たちの分野としては、例えば医療用ロボットであるとか、あるいは介護用ロボットであるとか、最前線で闘っている方々の少しでもお役に立てるよう頑張ることだと思っています。

願わくは、将来は遺伝子技術・データサイエンス技術が進んで、どんな新しいウイルスが出てきてもすぐに対処ができる、そういった医療体制が構築できればと思っています。

一方で、喫緊の課題として教育体制の再構築があります。例えばオンライン授業ですけれども、「すぐにできる」と思っていましたが、実際にやってみると通信回線容量が足りなかったり、あるいはコンテンツが対応していなかったり、という課題に直面しています。これは産業界でも似たような課題に向き合っておられると思います。これは必ず解決しなければいけません。

一方で、例えば実験とかフィールドワークなど実際に手を動かしたり、あるいは体を動かして身につけてもらったり、そういったものができなくなっております。これは世界中で同じような問題に直面しておりますので、皆で力を合わせて解決しなければいけません。

最後に「生き延びる種というのは決して強い種ではなくて、環境に適応した種である」という昔からの自然の摂理。これをもう一度思い起こして、この危機的な環境に適応して、新しい時代につなげる、そういったことに我々も微力ながらお手伝いできればと思っています。
0:03:23

青色発光ダイオードの研究で2014年のノーベル物理学賞を受賞した名古屋大学の天野浩教授からの提言です。

2020/04/16(木) <WBS>コロナに思う♯10 教育評論家 尾木直樹氏

2020/04/16(木) 23:00
コロナに思う♯10 教育評論家 尾木直樹氏
各界で活躍する人によるリレーメッセージ「コロナに思う」。今回は教育評論家の尾木直樹氏です。

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皆さんこんばんは。教育評論家の尾木ママです。それにしても本当に大変な事態になりましたよね。特に教育のところで、3月2日から安倍総理が「休校に入る」とおっしゃって本当にバタバタして、全国北海道から与論島まで98.9%の小中高が一斉休校に入ると。こんな大変な事態になるというのは、お父さん達、お母さんさん達も経験してないし、子ども達のストレス、いろいろなものは大変だろうと思います。今年いつから始まれるかわかりませんけれども、いわゆる不登校の子がたくさん出るのではというのを心配しています。

でもね、皆さん、ここからが大事なのですよ。これは、今までの最大のピンチがやってきたのですけれど、ピンチをチャンスに、つまり今そういう試みが、チャンスに切り替えるのが、どんどん始まっているのですね。各教育機関、学校や市単位でオンラインによる授業形態に切り替わり始めたところが次々と出ています。だから、幼稚園でもオンラインでいろいろ授業をやったり、ゲームをやったり、工作をやったりとか、そういう学校という建物、校門をくぐって全員が集まらなくてもやれるのだなという、教育の学び方の多様性が、ぐんと広がったのではないか。

いま、企業でもテレワークが1つのキーワードになっていますけれども、これと同じように学習の場も学校の場も“テレスタディ”が成立するのだということを僕も本当に初めて実感でつかんだのですね。通信機器を最大限に活用すればコロナに打ち勝った授業をやっていくこともできるのだと、新たな展望を切り開いたのではないかと思うのですね。そうなので、皆さん希望を持って、このコロナウイルスは短期間に克服してですね、いまエネルギー、新しい方法を溜め込んだものをすぐに生かして、経済界ではありませんけれども、僕らの教育界でもですね、V字で教育力をアップしていきたいと思います。

皆さん健康に気をつけて、共に頑張りましょう。
0:03:31

今回は教育評論家の尾木直樹氏です。

2020/04/15(水) <WBS>コロナに思う♯9 伊藤隆敏 コロンビア大学教授

2020/04/15(水) 23:00
コロナに思う♯9 伊藤隆敏 コロンビア大学教授
各界で活躍する人によるリレーメッセージ、「コロナに思う」です。きょうは、死者の数が1万人を超えたアメリカ・ニューヨークに住む、国際金融の専門家、コロンビア大学の伊藤隆敏教授からの提言です。

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ニューヨークで籠城生活、「おこもりさん」を始めて、3週間経ちました。まだまだ続くと思います。長い、長いトンネルになるわけですけれども、それが抜けた、トンネルを抜けた世界というのが、元の世界なのか、新しい世界なのかということを考えるようになってきました。おそらく、新しい世界なんじゃないかと、元には戻らないという風に感じるようになってきています。そうするとですね、やっぱり新しい世界が元の世界よりもより良いものにしたいわけですよね。より生産性が高い、それからより生活の質が高い、そういった世界にするためにはどうしたらいいのか。

トンネルの中にいる時は、ものすごく下がると思うのですよ。問題はその落ち込んだ後の、落ち込んだ後に、V字に回復できるのか、あるいは、低迷が長く続くのかというところで、それはやはり工夫しなくてはいけない。だから、V字は無理かもしれないが、少しでもその回復のスピードを上げていくためには、やはりその長く言われてきた、テクノロジーを生かした社会を作っていくということが重要になってきていると思うのですね。

ニューヨークでも、小中高、全部休校になったわけですけれども、それはもう1人1台、タブレットあるいはPCを配って、遠隔授業を小中高にも導入しています。同じようなことを、もちろん東京でもできるはずなのですね。やる気とお金さえ注ぎ込めばできるわけですから、これはぜひやっていただきたいなという風に思っています。

トンネル抜けた新しい世界でも、おそらく在宅勤務というのが、交代かもしれませんけれども、結構日常的にできるようになっている、みんな慣れてくると、いうことがあるとすると、これは非常に大きなチャンスでありまして、例えばですね、子育てをしている共働きの世帯でも、在宅で十分に企業活動に参加できるということが実現する。

ただ休んでいるのでなくて、やっぱり新しい世界で何ができるのだろうということを考えて、イノベーションに繋げていくと。それができれば、やはり回復は早いという風に思います。
0:03:33

死者の数が1万人を超えたアメリカ・ニューヨークに住む、国際金融の専門家、コロンビア大学の伊藤隆敏教授からの提言です

2020/04/14(火) <WBS>コロナに思う♯8 田嶋幸三 日本サッカー協会 会長

2020/04/14(火) 23:00
コロナに思う♯8 田嶋幸三 日本サッカー協会 会長
各界で活躍する人によるリレーメッセージ、「コロナに思う」です。今夜は新型コロナウイルスに感染した実体験を日本サッカー協会・田嶋幸三会長が証言、感染の危険について警鐘を鳴らすメッセージです。

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私たちサッカー協会は、2月26日に在宅勤務にしようということを決めました。それくらい、その時点で危機感を持っていたのですね。ただ、3月の2日、3日にヨーロッパの国々のサッカーの全ての会長が集まる総会、そして理事会がありまして、今で言う「3密」まさにその中にいました。我々4人で行ったのですけれども、常に食事の前には手を消毒して食事をしたり、うがいをしたり、本当にしていたのですけれども、ただその時には、どこで感染したかわからないですね、今も。

(帰国後)ちょっと悪寒がするかなと思って家で休みました。そしてその時にちょうど、セルビアの会長、スイスのサッカー協会の会長、私がちょうどアムステルダムで一緒にいた方々が次々と発症したというニュースが流れました。自分としても咳もしなかったし、それから肺炎というのは全く気づきもしませんでした。ですからスイスやセルビアの会長たちがなったという情報が流れて来なかったら、もしかしたらそのまま、働いていた可能性があり、もしくは、そうすると肺炎がもっと進行していたかもしれないと思うと、ちょっとゾッとするというか。

全く自分がその、気づかないうちに進行したり、気づかないで人にうつしたり、ということが起こり得るウイルスであるということ、これが一番僕は怖かったですし、そして自分が感染させてしまっているのではないかという人たちに、本当に申し訳ないなという気持ちを持って入院をすぐしました。

ヨーロッパのサッカーチームもほとんど練習なんか今はしていません。みんな自宅にいて、そして自分で練習するという、そういうことをやってくれています。やはり我々もそうするべきだと思うし、今は我慢して練習しないで、このコロナを落ち着かせることだという風に思っています。

今、東京はこれから感染者が増えると思います。それで検査も、もっともっとして、疫学的、公衆衛生上もそのデータとしてとっていかないと、この状況を撃退することには繋がっていかないと思います。そういうことをみんなでやって協力していきたいなと思っています。
0:03:39

新型コロナウイルスに感染した実体験を日本サッカー協会・田嶋幸三会長が証言、感染の危険について警鐘を鳴らすメッセージです。

2020/04/13(月) <WBS>コロナに思う♯7 糸井重里 ほぼ日刊イトイ新聞 主宰

2020/04/13(月) 23:00
コロナに思う♯7 糸井重里 ほぼ日刊イトイ新聞 主宰
各界で活躍する人によるリレーメッセージ、「コロナに思う」。今夜は、コピーライターとして広く知られた後、現在は、ウェブサイトでの情報発信などに取り組む糸井重里さんからのメッセージです。

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僕は専門家じゃないので、ただの71歳のおじいさんとして、このこんがらがった、ものすごくたくさん情報が来るし、感情の渦が巻いているし、こういうこんがらがった状況を、どうやって、糸をほぐすように、1本のヒントからほぐせるのだろうかということを考えてみました。

24時間、起きている限りは新型コロナウイルスの話をされます。そんな中で、自分もちょっと知ったような気になって、あれがこうじゃないか、これがこうじゃないかということを考えたり、人に話したりということはあるのですけれども、街にそれがサイレンの響きみたいに鳴り渡っている状態は、相当自分にとっても他人にとってもストレスじゃないかと思いまして、待てよと、救急車のサイレンというのはなんで鳴っているのだっけ、と考えました。救急車のサイレンというのは、急いでいますから前を開けてください、というために鳴っているのですね。大変だ、大変だって言っているわけではないわけです。大変だ、大変だというサイレンの音を1回、みんなが止めた方がいいのではないかと思ったのも、結構、自分の気持ちを楽にしてくれました。

もう1つは、自分たちが家にいましょうだとか、止まりましょうと言っている間も、止まってはいけないものがたくさんあります。単純に、水道や電気もそうですし、物を通信販売で頼んで届けてくれる人たちも、止まってはいけないわけですから、動いていてくれるわけです。で、何よりも、この大きな感染の渦の中にいながら治療してくれる人たち。その人たちのことを、忘れないようにいつでも感謝していようということを自分に約束しました。これはお医者さんから聞いたのですけれど、感謝する気持ちと恐怖は一緒には感じられないのだそうです、人間は。ですから、感謝している時間というのは、恐怖を感じなくてすむという利点もあります。

いつかは終わるんですね。終わった未来の側から今の自分を見る、ということをやってみようと思いました。何か未来の自分から見て役に立つことを知っておこう、というふうに思っているのが、今の僕のやり方です。
0:03:30

コピーライターとして広く知られた後、現在は、ウェブサイトでの情報発信などに取り組む糸井重里さんからのメッセージです

2020/04/10(金) コロナに思う♯6 ヤマザキマリ 漫画家

2020/04/10(金) 23:00
コロナに思う♯6 ヤマザキマリ 漫画家
各界で活躍する人たちによるリレーメッセージ「コロナに思う」。6回目のきょうはテルマエ・ロマエで知られるヤマザキマリさんです。日本とイタリアを行き来しているヤマザキさんからのメッセージです。

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私は家族がイタリアにおりますので、普段は日本とイタリアを往復しながら暮らしているのですけれども、ここしばらくはイタリアには戻れておりません。そしてそのイタリアでは、相変わらず感染による死者数が世界で一番という状態が保たれているのですけれども、実は半月前から全国で外出禁止令というのが出ました。その時点から初めて感染者の増加がやっと減少傾向になったという報告が出ています。

イタリアでの感染拡大に関しましては、その要因として、例えば圧倒的な高齢化社会であるということ、そしてその高齢者と一緒に暮らす家族がとても多い点、そして医療環境には問題点がいくつかあった点、あと会話好きだという国民性に起因するような飛まつ感染率の高さ、そういったものが憶測としてたくさん挙げられてはいるのですけれども、それはイタリア的な特徴だからというよりも、私たちもその中には気をつけるべきヒントがあるのではないかなという気がしております。

イタリアでは、今言ったように、1カ月前から地域封鎖をしたり、それから国内移動禁止令を出したり、それから全国封鎖に踏み切り、そしてその後に今度はいよいよ外出禁止令を出したわけですけれども、こうした段階を踏んでやっとですね、やっと収束の気配が見え始めた。ということは、つまりやっぱり徹底して人に会わない、近づかないということが何よりも優先すべき防止策になるということが分かると思うんのです。

だから、毎日そうした不安と緊張感と向き合って生きていくことは辛いことですし、健康・経済面だけでなく人間の精神もぜい弱にしてしまう、そうしたリスクもあります。でも、こうしたパンデミックというのは実は太古の昔から常に人間とともにあったものです。パンデミックも、そしてそれに付随する経済危機も、我々人間は全て乗り越えてきているわけですよね。本当にうっかりしていると精神面が、どんどん、どんどんやられていってしまうので、この現象と冷静に向き合っていくためには、とにかくテレビやネットもいいのですけれども、良い映画を見るようにしたりとか、良い本を読むようにしたりとか、とにかく生きていく前向きな力を養うための、この精神力を鍛える、これが何よりも大事ではないかと、今は思っております。皆さんもどうぞご自愛しつつ、たくさん良い映画や良い本を読むようになさってください。
0:03:36

6回目はテルマエ・ロマエで知られるヤマザキマリさんです。日本とイタリアを行き来しているヤマザキさんからのメッセージです。

2020/04/09(木) <WBS>コロナに思う♯5 医師、中山由紀子氏

2020/04/09(木) 23:00
コロナに思う♯5 医師、中山由紀子氏
各界で活躍する人によるリレーメッセージ「コロナに思う」です。今回は沖縄で救急医療に携わる医師、中山由紀子さんのメッセージです。救急医であり、現在妊娠9ヶ月の妊婦である中山さんは、親族の葬儀にも出席せず、沖縄にとどまったそうです。その理由、そして、医療現場の現状について訴える中山さんの声をお聞きください。

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私は沖縄の救急医です。そして妊娠9ヶ月の妊婦でもあります。

3ヶ月半ばに、関東に住んでいた私の祖父が亡くなりました。でもお葬式には行かず、沖縄に残りました。私の移動によって沖縄に、職場である救急医療の現場に、妊婦検診を受けている産科に、夫の職場に、そして息子の保育園にウイルスを持ち込むリスクがあるからです。

このウイルスの怖いところの1つは、無症状でも感染していて人にうつす可能性があることです。あなたが、私が、気づかずにまさに今、ウイルスを運んでいる可能性があることです。

救急現場の話をします。1つのPCR検査をするにも、最低1セットの感染防護具が必要になります。検査は鼻に綿棒を突っ込むので、患者さんは、くしゃみをして、エアロゾルが発生します。検査をするだけでもドクターとそこで働く医療スタッフ、受診する他の患者さんへの感染リスクは上がるのです。

入院治療するときは関わる医療者は複数になるので、患者さん1人につき感染防護具は、もっと必要になります。使い捨てなので1日に何枚も使います、本来は。このペースで検査が増えていったら、感染者が増えていったら、すぐに感染防護具が足りなくなるということは、私の周りの誰もが感じていました。

そして特に都会と違って地方には、そもそも医療資源が少ない。感染防護具やベッドだけでなく、ドクター、ナースなどのマンパワーが圧倒的に少ないのです。そこへ、流行地から移動してきた人がウイルスを持ち込んでしまったら、「まだここではそんなに流行っていないから」と住民が油断していたら、医療者が感染してしまったら、地域の医療を崩壊させるのは簡単です。

不安をあおるようなことばかり言って申し訳なく思います。でも、みんながいま自分にできることを考えて実行できれば、この流行を押さえ込むことができると信じています。完全に無くすことはできませんが、医療スタッフができるだけ危険にさらされず、医療が必要な人が適切な医療を受けられるレベルで制御することはできると思います。

緊急事態宣言が出たことで、東京から地方への国民の移動が起こらないかとても心配です。皆さんが移動しないこと、移動してきた人との接触を最低1週間避けること、3つの密を避けることで、自分や自分の周りの人だけでなく、日本の医療体制や救急現場のスタッフを守ってほしい。あなたが移動しなければ、貴重な感染防護具を温存できます。医療者の感染リスクを下げることができる。「自分は無症状だけど感染している」という意識で行動してください。どうかお願いします。
0:03:45

今回は沖縄で救急医療に携わる医師、中山由紀子さんのメッセージです。救急医であり、現在妊娠9ヶ月の妊婦である中山さんは、親族の葬儀にも出席せず、沖縄にとどまったそうです。その理由、そして、医療現場の現状について訴える中山さんの声をお聞きください。

2020/04/08(水) <WBS>コロナに思う♯4 山中伸弥 京都大学iPS細胞研究所 所長

2020/04/08(水) 23:00
コロナに思う♯4 山中伸弥 京都大学iPS細胞研究所 所長
各界で活躍する人たちによるリレーメッセージ「コロナに思う」です。4回目のきょうは、ノーベル賞受賞者の京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥さんです。自らのホームページで新型コロナウイルスに対する情報発信を始めた山中教授の今の思いです。

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安倍総理から新型コロナウイルスに関して、緊急事態宣言が出されました。これまでに一層の、私たち国民全員の努力が求められています。

私たちは普段、社会、周囲に守られて仕事をしたり、いろんなことを楽しんだりすることができています。今まさに私たちが社会を逆に守る時です。私たちの努力によって、ウイルスの脅威から、社会が崩壊するのを防ぐことができます。

新型コロナウイルスは、これまでにない、非常に難敵であります。しかし、ウイルスは人を介してしか、その力を得ることができません。私たちがしっかり一致団結して行動を取れば、ウイルスはやがて力を失っていきます。人と人との間を空ける、そして物の共有をできるだけ防ぐ。こういった基本的な努力を、注意を、私たちみんなが今後数週間、もしかしたら数ヵ月になるかもしれませんが、守ることによって、また少し前までの平和な、いろいろなことを楽しめる社会を取り戻すことができると思います。

「ピンチはチャンス」とよく言われます。今回のこの大変な出来事を通して、これまでやりたくてもできなかったこと、例えば働き方改革であったり、オンラインで授業をしたり、色々な会議をしたり、また医療制度をより確実なものにする、こういったことが今回のこのピンチをチャンスに変えて、より良い社会につなげることができるのではないか、そんな風にも思います。

みんなで一致団結して、この難局を乗り越えていきたいと思います。私も頑張ります。
0:03:32

4回目は、ノーベル賞受賞者の京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥さんです。自らのホームページで新型コロナウイルスに対する情報発信を始めた山中教授の今の思いです。

2020/04/07(火) <WBS>コロナに思う♯3 WBS×鎌田實氏

2020/04/07(火) 23:00
コロナに思う♯3 WBS×鎌田實氏
各界の著名人によるリレーメッセージ「コロナに思う」。3回目のきょうは末期がんの患者との交流をつづったベストセラー「がんばらない」で知られる医師で作家の鎌田實さんです。外出自粛を受け入れて乗り切るためのメッセージです。

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ついにきょう緊急事態宣言が発令されました。ブログでもずっと言い続けてきたのですけど、もう1週間前にやらないといけないですよね。遅い、遅い。全てが遅い。しかし発令したことは評価します。しかし言いたいことは、国民に行動制限をかけるわけですから信頼のできる政府になってほしいと思います。透明性を高めて隠蔽をしない、情報を丁寧に出して、そして国民に丁寧に、できるだけ刻々と状況を国民にわかりやすく説明することが大事です。

そして、医療がとても疲れています。もともとこの政権で7~8年、医療費抑制でけっこうボディブローのように医療は疲れきっている状況に、今回の新型コロナウイルスの問題が起きてきていますので、そこで格闘していて、医師や看護師が1人でも感染すると次々に院内感染を起こしていく。それを支えるサージカルマスクも無い、ガウンも無い、ECMO(人工心肺装置)も人工呼吸器も、決して多くの病院がこれから必要になってきたとき十分では決してありません。病院を崩壊させないために、どうしたらいいかということが問われています。

最後に言いたいことは “離れてつながる” です。とにかくまず離れること。離れながら、孤立化しないこと、つながることがとにかく大事です。SNSを使ってでも、あるいはお年寄りの方たちは電話を使ってでも、とにかく1人にならないこと。フレイル=家の中で閉じこもってボーっとしている時間が多くなると、虚弱というのが起きてきます。こんなときに虚弱にしないためにはちゃんと生活習慣の中にスクワットとか、かかと落としというようなものを取り組みながら、そして栄養面もきちっと考えながら、心が鬱々とならないようにしていくことが大事です。

離れてつながることを忘れないようにしてください。
0:03:46

3回目は末期がんの患者との交流をつづったベストセラー「がんばらない」で知られる医師で作家の鎌田實さんです。外出自粛を受け入れて乗り切るためのメッセージです。

2020/04/06(月) <WBS>コロナに思う♯2 辻仁成 作家・ミュージシャン

2020/04/06(月) 23:00
コロナに思う♯2 辻仁成 作家・ミュージシャン
各界の著名人によるリレーメッセージ「コロナに思う」。2回目のきょうは作家でミュージシャンの辻仁成さんです。現在はパリに在住し息子さんとの暮らしなどをブログやSNSで発信しています。都市封鎖された街からのメッセージです。

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フランスは3月17日からロックダウン(都市封鎖)が始まり、もうそろそろ3週間になろうとしています。このロックダウンが始まってからの3週間の中で僕の考え方、意識は大きく変化しました。

今まで毎日カフェに行って友達と会って食事をして、メトロに乗ってワイワイ騒いでいた日々がなくなったわけです。それが失われて、それが一変して、価値観や世界観、生活の仕方、経済のあり方、政治の見方、それから我々自身の未来像まで、全てが一度リセットしなければならない状態に来ました。

息子は学校に行けなくなり、家で勉強しています。毎日勉強しています。毎日勉強しているけど、親としては何のために勉強しているのかさえも考えなければならない状態になり、そしてその親側の僕たちは、どうやって子どもや家族や、それから自分たちの仕事を続けていけばいいのかということさえも、これから先、コロナ戦争が続く中で考え続けていかなければならない岐路に立たされているわけです。

人類は、いま大きな節目に立たされたと感じていいと思います。この先、いつ収束するか分かりません。

フランスも、このロックダウン(都市封鎖)が解除されたとして、じゃあその日からまた再び元の生活に戻れるかというと、そうではないのです。そこから徐々に徐々にまた周りに気をつけながら、いったん冷えついた人間の心理は容易に外に向かわすことはできないでしょう。前みたいにカフェでみんなと騒いでワーッと飲むということはできなくなると思います。そういうヨーロッパの価値観、ハグさえも、握手さえもできなくなるのではないかと思っています。

感染者がゼロになるのはいつかわかりませんし、これからまだ1年2年3年続くのではないかとも言われています。我々の、今まで想像していたことを絶するくらい、想像を大きく超えるくらいこのコロナとの闘いは大変だということなのです。その中で、人類、人間一人一人がどういう心構えで、心の備えで生きていくかということが、新しい価値観も含めて、自分たちがどういう人間になっていくのかがこれから非常に大事になると思われます。

まず、今現在は、僕たちは家から出ない。ウイルスは人から人に感染するものですから、その複製を止めることは人間が人間と接触しないということなので、政府の指導を守って家から出ないということは大事だと思います。

心の備えを持って、まずは家にいてください。僕たちも家にいます。
0:03:27

2回目は作家でミュージシャンの辻仁成さんです。現在はパリに在住し息子さんとの暮らしなどをブログやSNSで発信しています。都市封鎖された街からのメッセージです。

2020/04/03(金) <WBS>コロナに思う♯1 本庶佑 京都大学特別教授

2020/04/03(金) 23:00
コロナに思う♯1 本庶佑 京都大学特別教授
きょうからWBSでは、「コロナに思う」と題して各界の著名人によるリレーメッセージをお伝えしていきます。1回目のきょうはガンの免疫療法の発展に貢献し2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶佑さんです。研究者の立場から日本のいまの状況に警笛を鳴らしました。

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ウイルスとの長い闘いの歴史で人類は常に勝利を収めてきました。今回も間違いなく勝利いたしますが、多くの犠牲を払うことは間違いありません。

RNAウイルスでありますコロナはエイズのウイルスと同じように遺伝子が次々と変化し、ワクチンのいいものができません。インフルエンザも同じです。世界はあっという間に医療崩壊に巻き込まれました。日本が耐えているのは不思議であります。しかしこれは時間の問題です。

日本医師会の横倉会長は「医療崩壊は間近である」「非常(緊急)事態宣言を出すべきである」という声明を2回にわたって発表されております。非常(緊急)事態、医療崩壊では死者の10%が医療関係者であります。一方、総理は「国民の健康第一であるが非常事態ではない」と言われました。では一体どうなれば非常(緊急)事態でしょうか。

大部分の国民が恐れていることは、一に医療崩壊、二に経済回復が長期にわたって遅れることであります。このままで医療崩壊を招きますと、経済の回復は一層遅れます。これを招かないことが大切であります。

全ての戦いは先手必勝と言われます。東京、大阪、名古屋、大都市圏の2週間ないしひと月の外出禁止令によって、封じ込めを図ることが得策であります。是非とも東京、大阪、名古屋周辺の知事の皆様におかれましては、強力なリーダーシップを発揮していただくことを切に望んでおります。
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ガンの免疫療法の発展に貢献し2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶佑さんです。研究者の立場から日本のいまの状況に警笛を鳴らしました。