コロナに思う♯6 ヤマザキマリ 漫画家

2020/04/10(金)23:00
各界で活躍する人たちによるリレーメッセージ「コロナに思う」。6回目のきょうはテルマエ・ロマエで知られるヤマザキマリさんです。日本とイタリアを行き来しているヤマザキさんからのメッセージです。

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私は家族がイタリアにおりますので、普段は日本とイタリアを往復しながら暮らしているのですけれども、ここしばらくはイタリアには戻れておりません。そしてそのイタリアでは、相変わらず感染による死者数が世界で一番という状態が保たれているのですけれども、実は半月前から全国で外出禁止令というのが出ました。その時点から初めて感染者の増加がやっと減少傾向になったという報告が出ています。

イタリアでの感染拡大に関しましては、その要因として、例えば圧倒的な高齢化社会であるということ、そしてその高齢者と一緒に暮らす家族がとても多い点、そして医療環境には問題点がいくつかあった点、あと会話好きだという国民性に起因するような飛まつ感染率の高さ、そういったものが憶測としてたくさん挙げられてはいるのですけれども、それはイタリア的な特徴だからというよりも、私たちもその中には気をつけるべきヒントがあるのではないかなという気がしております。

イタリアでは、今言ったように、1カ月前から地域封鎖をしたり、それから国内移動禁止令を出したり、それから全国封鎖に踏み切り、そしてその後に今度はいよいよ外出禁止令を出したわけですけれども、こうした段階を踏んでやっとですね、やっと収束の気配が見え始めた。ということは、つまりやっぱり徹底して人に会わない、近づかないということが何よりも優先すべき防止策になるということが分かると思うんのです。

だから、毎日そうした不安と緊張感と向き合って生きていくことは辛いことですし、健康・経済面だけでなく人間の精神もぜい弱にしてしまう、そうしたリスクもあります。でも、こうしたパンデミックというのは実は太古の昔から常に人間とともにあったものです。パンデミックも、そしてそれに付随する経済危機も、我々人間は全て乗り越えてきているわけですよね。本当にうっかりしていると精神面が、どんどん、どんどんやられていってしまうので、この現象と冷静に向き合っていくためには、とにかくテレビやネットもいいのですけれども、良い映画を見るようにしたりとか、良い本を読むようにしたりとか、とにかく生きていく前向きな力を養うための、この精神力を鍛える、これが何よりも大事ではないかと、今は思っております。皆さんもどうぞご自愛しつつ、たくさん良い映画や良い本を読むようになさってください。
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