コロナに思う#15 隈研吾氏 建築家

2020/04/23(木)23:00
各界で活躍する人によるリレーメッセージ「コロナに思う」。今夜は東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の設計を手掛けた建築家の隈研吾さんです。新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにこれまで大都市に集まろうとしてきた私たちの生活が大きく変わるといいます。

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建築家の隈研吾です。今回の新型コロナウイルスを受けて、われわれはどんな建築、都市をつくっていけばいいのでしょうか。

今までペストなどさまざまな疫病によって、人間は都市のつくり方を大きく変えてきました。今回のコロナウイルスはわれわれに「箱からの解放」「室内からの解放」を求めているような気がします。

20世紀の建築というのは、人間を大きな箱に閉じ込めることでした。大きな箱の中に閉じ込めて仕事をさせ、そこへ電車という箱に乗って通わせる。それが20世紀の働き方であり、建築、都市のつくり方でした。そのような大きな箱に閉じ込められて、人間がいかに不自由であったか。それを今回のコロナウイルスがわれわれに教えてくれたと思います。

実は人間は今回テレワークして分かったように、1人でも仕事ができるし、自由に自分の選んだ場所で仕事ができる。自由に選んだ距離でコミュニケーションができる。そういう技術をすでに身に付けています。しかし、依然として都市、建築は大きな箱の中に人間を閉じ込め、大きな箱の中に空調をして、人間をその中でコントロールしてきたわけです。われわれはもっと自由になるべきだと思います。

そして室内にこだわりすぎた。これが20世紀の問題だと思います。人間はこの気持ちの良い自然の中に、もっと出ていくべきです。もっと自然と一体となって働き、住むことができるわけです。

そのような形で自然と近づいて、もう一度健康を取り戻し、もう一度自由を取り戻す。それがコロナウイルスの最大の教訓だと思います。
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