コロナに思う#19 若田光一さん

2020/04/29(水)23:00
各界で活躍する人のリレーメッセージ「コロナに思う」。今回はJAXA=宇宙航空研究開発機構の宇宙飛行士、若田光一さんです。宇宙の閉鎖空間で過ごす経験を重ねてきた若田さんからのメッセージです。

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新型コロナウイルスの感染が広がる中で、私たちの命を守ってくださっている多くの方々。特に医療の現場で強い使命感を持って尽力なさっている皆さんに心から感謝します。

2014年の宇宙飛行では188日間、閉鎖環境の国際宇宙ステーションISSの中で長期滞在を行いました。これまで宇宙飛行に向けた訓練中にスペースシャトルの事故で打ち上げが2年以上中断したり、ISSにいたときも貨物機の打ち上げが遅れて、到着がいつになるか分からなくなったりと、先が見えない状況で仕事を続けなければいけないことが何度もありました。

新型コロナの影響で家で過ごすことが増えてきていますが、宇宙の閉鎖空間に半年間滞在したときの経験から大切だと思うことは、これまでの普段の生活からリズムが変わらないように、平日は日課を決め、スケジュールをしっかり立てて過ごすことがまず挙げられます。

毎日の日課に運動の時間を短くても入れておくこと。睡眠時間もこれまで通りにしっかり取ることが体と心の健康に重要です。

精神的にリラックスできることを見つけて実践することも大切です。私の場合、宇宙では運動したり、家族と電話で会話したり、仲間と一緒に映画を見ることなどがリラックスするためにとても役に立ちました。辛いなと思いながらも、工夫しながら、前に進もうと努力しているときが、一番成長しているときだということを忘れないでください。

行動で迷ったら「今なぜ、このことに取り組んでいるのか」「なぜ外出自粛をしているのか」という根本の理由に立ち返って、今自分が取り組むべきことを再認識することが大切です。

そして、どんなときもユーモアを忘れずに生活していきましょう。ユーモアはみんなの気持ちをリラックスさせ、ものごとを前進させてくれる原動力です。

感染を防ぐために一人一人が今できること、しなければならないことをしっかり考え、行動し、ワンチームで一緒に乗り切っていきましょう。
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