コロナに思う#26 アラン・グリザードさん

2020/05/08(金)23:00
リレーメッセージ「コロナに思う」。今夜は、多くの死者が出ているニューヨークの医療現場で患者の治療に当たった、看護師のアラン・グリザードさんです。感染爆発のピークを迎えた先月上旬、他の州から応援に入りました。勤務した3週間、グリザードさんが身を置いたのは医療器具が床に散乱し、亡くなった患者の遺体が並ぶ壮絶な現場でした。

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60床ある救急病棟に常に150人ほど患者がいて、9割は新型コロナウイルスの感染者でした。人間がどれだけちっぽけで無力な存在か、この状況で思い知らされました。

アメリカ人であるとか日本人であるとか、イタリア人であるとか、今はもう関係ないのです。私たち人類は今、脅かされています。みんなが協力しなければいけないときです。

何十人も亡くなる患者の手を取りました。独りで亡くなってほしくなかったのです。新型コロナウイルスは無差別に人の尊厳を奪い尽くす。尊厳を少しでも守りたかったのです。

亡くなると思わなかった患者の死を何度も目の当たりにしました。状況が改善し始めたころ、私の(ニューヨーク勤務の)最終日前日の1日で9人の患者が亡くなりました。全員45歳以下でした。これは特定の人や病院、国だけの問題ではなく世界的な問題だと痛感しました。

日本のみなさんにはこの状況を知って準備をしてほしいと思います。私が経験したことをみなさんには経験してほしくありません。アメリカは、イタリアのような状況を回避できたはずなのです。しかし行動が遅すぎたために、こんな状況になってしまいました。

新型コロナとの闘いに最も有効なことは「ソーシャル・ディスタンス」を取ることです。企業は政府の指示に従いながら、仕事を遂行すべきだと思います。ソーシャル・ディスタンスを取れる環境を作ってください。製造業ならスタッフの作業場を離してください。

世界のみんなが今、同じ状況で安全な場所はありません。しかし油断せず行動し続けることで必ず乗り越えることができます。
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