コロナに思う#29 野口聡一さん

2020/05/13(水)23:00
リレーメッセージ「コロナに思う」、今夜は、JAXA=宇宙航空研究開発機構の宇宙飛行士、野口聡一さんです。3回目の宇宙飛行を目指し訓練を続ける野口さんが厳しい環境を生き抜く術を語りました。

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JAXA宇宙飛行士の野口聡一です。

私はこれまで2回の宇宙滞在、そしてさまざまな特殊下での滞在訓練、例えば深海、海の底での訓練であったり、洞窟の中での訓練であったり、先日も宇宙に行くクルーと一緒にアメリカの密林の中で1週間過ごすという体験をしてきました。そういう意味でさまざまな閉鎖環境、孤立した環境でいかに生き抜くかという経験をたくさんしてきました。

その中で気づいたことは、まずは日々自分がその日にできることに集中するということです。困難な状況、先が見えない状況になると、どうしても先のことを考えてしまって不安が先に立ってしまう。そうすると体より先に心が参ってしまうという状況がよくあると思います。

もう一つ大事なことは頑張りすぎない。自分にあまり過度の期待をしない。「まだできるはずだ」「もうちょっと頑張ろう」をずっと繰り返していると、やはり体よりも先に心が参ってしまうことがあると思うので、自分ができること、できないことを客観的に分けてしまう。

そして日々、自分の健康に気を配ることです。やはり自分の体をケアできないと、他人のケアはできないと思うので、ちゃんと休息、睡眠をとることと、栄養をちゃんと取る。それを日々繰り返していくことが、この長い長い戦いを乗り切る1つの大事なポイントになるのかなと思います。

私は今年3回目の宇宙飛行を狙うということで、アメリカでみんなと一緒に頑張っています。今回は初めての民間宇宙船での宇宙飛行ということでスペースX社が頑張って開発中の「クルードラゴン」の運用初号機に乗る予定です。

宇宙からまた皆さんに宇宙の素晴らしさ、そして新型宇宙船のいろいろな難しさ、大変さ、そしてこれから先の人類が向かう宇宙についてお話をしていければいいなと思っています。また宇宙から帰還したらお話ししましょう。皆さん一緒に頑張りましょう。
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