コロナに思う#30 為末大氏

2020/05/14(木)23:00
各界で活躍する人のリレーメッセージ「コロナに思う」。今夜は、陸上競技の元オリンピック代表で、現在は企業経営者として活躍する、為末大さんです。先が見通せない今、不安を克服するため自らに「3つのルール」を課したといいます。

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3週間前、何かルールがないとこの状況に耐えられないと思い、自分なりに3つのルールを決めました。

1つ目は未来のことを考えないで、とにかくきょう1日のことだけを考えて生きていく。きょう1日1日を積み重ねて生きていくということを決めました。どうしても未来のことを考えると一喜一憂します。それから期待をしては失望してということを繰り返していましたので、先を考えない。

2つ目は大切なことだけを考えて、それ以外のものは意識をしないと決めました。日常ですとどうしても大事だと思っている、思い込んでいるものはたくさんありますけれど、本当に大事なことはそんなに多くはないと思います。

私にとっては家族と社員や仲間、そしてアスリート、スポーツを愛している人たちが大切なものです。特に今、スポーツ界は試合がなくなり、トレーニングもできない中で、アスリートたちは非常に厳しい状況に置かれています。東京オリンピックも1年延期され、開催されるかどうかも分からない中で、少しでもアスリートの助けになること。彼らの心のサポートができることを心掛けて日々生きています。

3つ目は愛をもって人や社会を見るということを決めました。私自身も余裕がなくなって、どうしてもネガティブな見方や人の悪いところを見てしまいがちになるんですが、日常であれば許せることがこういう状況だと許せなくなってしまいます。一度そういうパターンに入るとずるずるとそちらに思考が回っていくので、自分なりにルールを決めて、とにかく愛をもって社会や人を見る。

いざコロナウイルスの影響がなくなっても、もう1回頑張ろうと思える自分の心がないとなかなか人は立ち上がることができません。ぜひ皆さんには、いろんな大切なことがありますけれど、社会や会社もいろんな大切なことがあるかもしれないですけれど、まず第一に自分の心を大事に扱って、丁寧なメンテナンスしてほしいなと思います。
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