コロナに思う#33 楠木健さん

2020/05/20(水)23:00
「コロナに思う」です。今夜は、変わることがない人間の本性を踏まえて独自の仕事論を提唱している 一橋大学教授の楠木健さんです。人間の本質を捉えることで、コロナ時代の社会のあり方も見えてくるといいます。

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私がこういう大きなショックが起きたときに大切だと思っているのは、人間の本性を理解すること。オンライン飲み会をみんながするようになったのも、人間が本性としてそういうものを求めるからだと思うんですね。

ただしポストコロナを考えてみると、個人的にはオンライン飲み会は定着しないと思っています。やっぱり人間の本性として、絶対にサシで会って話さなければいけないことがいっぱいあるわけです。コロナの制約が取れたら、全部が全部オンラインになるということもないと思う。

飲食店であるとか航空業界、宿泊業界は本当に経営が苦しいと思うんです。ただ、こうしたものの多くは人間の本性に根ざした需要です。人間の本性に根差した需要というのは最強の実需でありまして、必ず戻ってくると思うんです。

今回のコロナもこれまでの大きな危機と同じように、喉元過ぎれば熱さ忘れる。結局みんなすっかり忘れてしまうのではないか。ネガティブなことは忘れてしまうのが人間の本性だと思うんです。多くの場合、人間の不幸はコントロールできないことをコントロールしようとするところから生まれている。

世の中が進歩して、いろんな技術も使えるようになって、この21世紀かなり「無痛社会」になってきたのかな。ペインレスということですね。どうしようもないことに対して謙虚であるべきだと思います。

失われていたかもしれない謙虚さを取り戻す。それもまた喉元過ぎればすべて熱さ忘れてしまうのかもしれませんけども、少しの間でも考える機会ではないかと思っています。
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