コロナに思う#34 杉本研士さん

2020/05/22(金)23:00
リレーメッセージ「コロナに思う」です。今夜は、精神科医で、関東医療少年院の院長などを務められた杉本研士さんです。新型コロナでストレスが増えている中、杉本さんのブログ「コロナ疲れのみなさんへ」がSNSなどで話題になっています。精神科医の視点からコロナ禍を乗り越える秘訣を語ってくれました。

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私は80歳まで精神科医として働いて、たくさんの喜びや悲しみを見てきました。引退後は野菜を育てたり、野鳥を見たりという日々を楽しんでおりました。そこにこのウイルスとの闘いという非常事態が起きたわけです。私もできるだけのことをしたいと思い、いったん鍬を置いて、ブログに手紙を載せることにしました。

訳の分からないものとの闘いなんですから、おかしくなって当たり前。ストレスや鬱憤は吐き出してもよいのです。本音で話せば、人は本音で返してくれるのです。自分の命をちゃんと守っている、そんな自分を褒めましょう。

SNSというもののお陰で数十万人の方がブログに訪れてくださいました。たくさんの人から「泣きました」「明日からも頑張れます」などという言葉をいただきました。私はなんて多くの人が張り詰めているんだと思ったのです。

そうした中に、コロナのために長年営業していた店を畳まざるを得なくなった方がいました。その方が私のブログを読んで言われるに「でも大丈夫です。コロナも悪いところだけではなかったです。私は今、家族の大切さに気付きました。これまで一緒に過ごせていなかったのです」。

この方はご自身の「よりどころ」に気付かれました。実はこの「気付き」こそコロナと闘う秘訣なのです。自分の中に新しい自分を見つけること、パートナーや子供との間で世界で一つの絆を作れること。ついには「創造の世界」まで手に入れることができたなら、孤独や自己嫌悪から解放されるでしょう。これが「気付き」です。

この国の人々は「私は何々であるべき」という思考パターンで自分を縛り上げがちです。みなさんのこの縛りを解き放ち、「気付き」で「よりどころ」を得たなら世界は変わります。東日本大震災では「絆」がそうだったように、今回のコロナでは「気付き」がキーワードとなるでしょう。

人が人とつながり合い、太陽と土がある限り、今回も勝てます。私が保証します。
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